先日のブログに、ダイナパックに載せられた
ケータハムを紹介したのですが、入庫時の基礎体力測定時にトラブル発生!
測定したAFR(空燃比)が激薄すぎて、最初はセンサーが壊れたかと思いました。
測定箇所の問題か?と思い、純正のAFセンサーを外して
この部分でも測定しましたが、全負荷時13後半から場合によっては14台に入ります。
同じエンジンを積むカプチーノでAFR測定した時のグラフと重ねると一目瞭然。
軽自動車なのでターボ車でも12台に入っている事はよくありますが
13後半や14台はかなりハイリスクです・・・。
ここまでAFRが薄くなるのは、今までの経験上
コレですね
・・・剥き出しエアクリーナー・・・
一般的には吸気抵抗が減って流入空気量が増えるので、直下にあるエアフロは出力電圧を高め
「たくさんの空気が入って行くんで、燃料多めでお願いしま~す。
壊れるといけないんんで、点火時期は遅めでシクヨロ!」
って感じの制御になるハズ・・・がっ。
エアクリーナーの形状によっては入って行く空気が螺旋上に吸い込まれ
エアフロセンサーの読み込み口に空気が当たらなくなります。
適当に書いた汚い絵を載せると
こんな感じです。
配管内を流れる空気って、配管の内壁を伝わって流れる事のが多く
真ん中を通過する空気は比較的少ないです。
これをエアクリーナーの形状如何で、更に加速させてしまう事があり
そうなるとエアフロの読み出しポイントに当たる空気はごく少量と言うパターンが出来上がります。
エアフロ電圧が低い→入って行く空気は少ないと判断したECUは
燃料薄目、点火時期進め気味!って感じで制御を行い
信じられないほどの激薄空燃比が作り出される訳です。
何本も全開でパワーチェックをしていたら
エンジンチェックが点灯したので、エラーを読んでみると
高負荷時、システムが薄い!って怒られてました・・・。
幸い、オーナーは純正エアクリーナーBOXを捨てずに取っておいたので
すぐにそれを送ってもらい、仮装着。
早速パワー&AFRチェックして見ると
はい、普通になりました。
点線が剥き出しエアクリーナー装着時で実線がノーマルエアクリーナーです。
パワー差は
2馬力ちょっと・・・。
空燃比を激薄にしたハイリスク仕様で2馬力しか差がないなら
普通に考えれば、ノーマルエアクリーナーBOXを使いますね。
ちなみに この結果から、ケータハムに関しては燃料薄めても点火進めても
対してパワー上がらないんだなって事が、先に分かってしまいました。
なのでECUチューンをするに当たって
ソコを攻めてもダメなんだと言う情報が測らずしも得られたことになります。
エアクリーナーを剥き出しに戻す事は無くなったので
ノーマルエアクリーナーを本装着しますが、ボディーに固定する
ブッシュを介したスタッドボルトが1本千切れてました・・・。
ボルト径もM5とかなり華奢だったので、1サイズあげてM6のスタッドボルトを
3つ用意して、固定。
へんなグラつきは無く、程よい緩衝具合に仕上がりました。
ECUは
残念ながら
基盤に直接リード線を半田付けしないと
いけないタイプで、読み書き毎に緊張感が走ります。
読み書き中に半田がピョンって言って剥がれたら、そこでゲームオーバーです。
へんなテンションがリード線に掛からない様に養生した上で
データーの読み込みを行い、データーを解析&編集
極力書き換え回数は少なくしたいのでデーター作成時に厳選したマップ構成で臨みます。
自分は座高が高い様で、このクルマに乗ると頭はハミ出ます・・・。
LOGを見ながら、傾向と対策を検討し
入庫時、実線緑のグラフ
ECUセッティング後実線灰色のグラフ
点線はセッティング中です。
最大パワーは4ps強しか上がってませんが
空燃比、ここまで安定させた上でのパワーアップです。
トルクも3500~5000rpmでの凹みが無くなったので、実際に乗った際には加速感が続くと思います。
ダイナパックでのセッティングはこれにて完了とし、降ろして実走行に移行します。
ケータハム160でエアクリーナーを剝き出しにしている方
すぐさまAFR測定した方が良いですよ!