ちょっとだけ回顧録 そしてZN6 86用 FA20シリンダーブロック側完成!

今日は4月25日

毎月25日は、給料を含めた各請求の支払日です。

本来であれば定休日の月曜ですが、支払いを行う為に出社して

ついでに細々した所用を片付けてます。

 

給料か~

20歳で自営を始めて以来、給料と言う物を受け取っていません。

それまでは勤めていた家電量販店から毎月給料が振り込まれていましたが

20歳でその会社が廃業したので・・・。

 

結婚してすぐにカーショップを開いたのは、昔のブログで取り上げましたが

その前の話って、書いた事無かったような。

 

実は自分、昔から自動車整備をしていた訳では無く

愛知県岡崎市にある工業高校を卒業するのと同時に地元の家電量販店に就職しました。

そこでエアコンを付けたり、テレビのアンテナを立てたりする仕事をしていたので

いわゆる電器屋さんだったんです。

 

っで就職して1年たったある日、社長から呼び出されて

「会社を畳もうと思っているのだけれど、浅田君、自分で下請け業をやってみないか?」

と言われました。

「今いるお客さんの家電の修理やメンテナンスを、個人事業主として続けてみてはどう?」

って言う内容でした。

 

再就職先を見つけるのも面倒だし

当時使っていた自分用の工具や道具を安く売ってくれると言うので

あまり深く考えず

「分かりました。下請け業やります!」

って答えました。

そもそも何の下請けになるのかもよくわかっていませんでしたが

20歳で個人事業主とか、カッコイイと言うのが主な理由だったかと。

 

想像に容易いと思いますが、1件の家電量販店が抱えていた顧客の

しかも修理やメンテナンスだけでは十分な収入にはなりません。

「こりゃ、ヤバいな」

と思って、大手家電量販店からエアコンの取り付けなどを一手に請け負う

いわゆる元受け業者を探して、そこの2次請け的な立場で働くようになりました。

 

そこからは6月の後半から8月前半に1年の8割を稼ぐような働き方になりました。

その1か月半で、とにかく死ぬほどエアコンを付けまくるんです。

今みたいなコンプライアンスなんて無かった時代なんで

朝は7時から夜は9時過ぎまで、ひたすら家庭用エアコンを付けまくって

ペースが良い時は1日で10台のエアコンを付ける日もありました。

 

当時1台のエアコンを取り付けると家電量販店から材料費込みで22000円の取り付け費がもらえました。

部材代が大体1台に付き6000円程掛かるので、1台当たり16000円の工賃です。

ここから元受けが2割手数料を取るので、実際の収入としては12800円。

10台付ければ128000円!まあ、10台は毎日ではないものの

平均的には1日大体5台は付けていたので5台×45日(基本この間は休みなし)×12800円で288万円

標準工事以外は追加工賃がもらえるので、大体この1か月半で300万円程稼ぐ訳です。

あとは12月の年末にチョロっと仕事が増えて30万円ほど

残りの月は、1か月の収入なんて3~5万円でしたね。

それでも年収として考えれば370万円ほどになり、同年代の会社員に比べればかなりの高収入でした。

 

っが、2年が過ぎて、ここ愛知県に安売り量販店のY〇〇電気さんが進出してきて

「エアコンの工事費、材料費込みで9800円でお願いします。」

って言いだしたんです。

はぁ?ですよね。

部材代差し引いたら3800円です。

部材代をケチっても、1台5000円にはなりません。

しかも、仕事が無くても、店舗に待機して

「突発の仕事が入った際にすぐに動けるようにして下さい。」

との事。

自由は制限される挙句、その間の手当は出ないので、その日に作業が発生しなければ

完全タダ働きです。

 

最初はY〇〇電気の仕事だけを断ればいいやって思ってたのですが

Y〇〇電気以外の量販店も、作業費をY〇〇電気さんに揃える様になってしまい・・・。

 

この時、すでに結婚して長男も産まれていたので

家族を養う必要もありました。

今までと同じ収入を得るには今までの倍以上の仕事を熟さないといけない・・・

 

答えは

電器屋さん、辞める!

でした。

 

奥さんに

「明日さ~、元受けの社長に、電器屋辞めるって言ってくる。」

と言うと

「そうなんだ、っで、どうするの?」

と返事が来たので

「クルマ好きだからさ~、クルマ屋でもやるわ」

と答えると

「家族が食べていければ、別にどんな仕事でも良いよ。頑張ってね。」

との返事。

 

今、この時の心境を奥さんに聞くと

「長男の子育てでいっぱい いっぱい だったから、深く考える余裕がなかったんだよね。」

との事。笑

 

こう言う経緯があって、結婚してすぐにカーショップを開いたんです。

そこから先は、このブログで紹介している通りです。

 

開業後も運転資金がショートしそうになったり

仕入れたクルマが走行距離改ざん車で裁判沙汰になりそうになったり

ヤ〇ザ屋さんに、30万円の仕事を5万円に値切られそうになったりと

まあ、色んな事がありましたが、なんとか今まで仕事を続けることが出来ています。

 

なので、これからも日々精進を座右の銘として頑張って行こうと思ってます。

ちょっとだけ回顧録を書こうとしたのですが、結構長くなってしまいました。

 

 

ここからが、本題です!

先日のブログで、FA20のブロック左右でクランクシャフトを挟み込んだ状態をアップしましたが

今回はピストンリングの合口調整からスタート。

規定値に収めるだけでなく、4気筒のバランスや

トップリングとセカンドリングのバランスなども考えます。

 

そして

ピストンリングコンプレッサーを使って、ピストンをシリンダー内に挿入!

新品ピストンは輝きが違いますね!!

組上げ直後でもこのスムーズさが出るのは、あのメタルのおかげだと思います。

 

左右両方のコンロッドの動きを確認したら

オイルパンブラケットを装着し

オイルパンを被せ

ショートブロックの完成となります。

 

ヘッド側も

おおよそのクリアランス調整は終わり、残り2か所の寸法が出れば完成です。

両ヘッドが出来上がると、今度はヘッドとブロックの締結に移行して行きます。

 

 

エンジンを組み上げるのもイメージが大切です。

ただ単に目の前にある金属を組むのではなく、このパーツはこう言う動きをして

ここはこの部分と摺動するから・・・。

 

そのイメージが有るか無いかで、どう言うクリアランスが良いのか?

ここは規定値の幅の中でも、どっちよりにするのがベストなのか?

色々な方向性が診得てきます。

 

エンジンとは少し部品が異なりますが

フライホイルだって、組み付け方法一つで良し悪しが出ます。

 

固定ボルトの締結順序だったり、締め込むトルクの掛け具合だったりは

このフライホイルがどう言う動きをするのかを考えながら組めば

大きな間違いを起こす事は無いと思んです。

思うのですが・・・チェレンジ系YOUTUBERの動画を見ていると

「この人に作業はさせてはダメだな。」

と言う作業を多々見かけます。

 

クラッチカバーの締結ボルトを

12時の位置からの時の順番に締め付けてしまって

「ディスクのセンターが出難い」

って言ってる人が居ました・・・。

 

ん~っと・・・。

普通に考えれば、わかりますよね。

円周を締め付けて行く場合、対角線上にあるボルトを順番に締め付けて行くって。

 

ディスクをカバーで押し付けて行く訳なので、いきなり1か所を締め付けたらどうなるのか

ちょっとイメージすれば、すぐに分かりそうな物ですが

知らないって、怖いですね。

そして、そこで疑問に感じないと言うのがさらに怖いです。

まあ、YOUTUBEなので釣り目的のネタなのかも知れませんが・・・。

 

いずれにしても作業中に完成をイメージするってのはとても大切です。

3次元で完成状態をイメージして、出来ればそれが動いている状態までイメージ出来れば

今、自分が行っている作業の合否が自ずと見えて来るはずです。

 

 

経営もイメージが大切なのかも知れません。

3年後、5年後、10年後、自分はどう言うお店にしたいのか

その具体的なイメージが想像出来ていれば、そこに向かった具体的な身の振り方を考えますが

ただ漠然と、日々の仕事を熟しているだけだと

どうしても経営は緩慢になってしまうのではないかと。

 

自分ごときが経営を語るなんぞ、100万年早いとは思いますが

やっぱり何をするにしても、イメージを思い描くって、大事な事だと思います。