前々から都度ブログで訴える事なんですが、ECUセッティングを行う上で大事な事
それはエンジンと言うハードが組み上げられるか?と言う点です。
そしてその逆も必要でECUセッティングの理解度が深ければ深いほど
エンジンを作製する際のアドバンテージが増えます。
エンジンの構造を目で診て手で触っていると、ECUセッティング中
「あのクリアランスとあのパーツならまだ大丈夫だな」
とか
「もうそろそろ、このエンジンの限界だね」
ってのがある程度想像出来ます。
そう言うのを肌で感じるため
勉強や実験用のエンジンが結構転がってます。
過給気つけてぶん回していたFA20エンジンや
今、話題渦中のG16Eエンジン
サーキットアタックを繰り返したロータスエキシージ用2GRエンジンなどがストックされてます。
こう言う環境が結構若手の育成に大事だったりするんですよね。
ディーラーメカニックなんて、エンジンを車体から降ろしたことすら無いです!って平気で言いますからね。
そしてECUセッティングを実際に手掛けていて、ノッキングの出方や空燃比の変化
バルタイ調整時のパワー変化などを診ていると、ハード側に求めたい要求が具現化されます。
このエンジンは〇〇がネックだから、ここはこのメーカーのパーツを使って
クリアランスは整備書規定+0.003ぐらいかな~と言う数字もなんとなく頭に浮かんできます。
前書きが長くなりましたが、ハードとソフトの両方が弄れるという事は
それぞれの作業において大きなアドバンテージになるんです。
っで
E07Aエンジンを
バラバラに分解しまして
各部を精密採寸
必要な部分は修正加工や
追加加工を
施し、各部を徹底的に
洗浄
します。
小さいエンジンだからこそ
重量を
合わせながら
組み込むことでフィーリングに差が出ます。
660㏄で4気筒なので
ピストン径はかなり小さいですが写真に写すとわかりませんね。
比較対象を載せるべきでした・・・。
コンロッドを規定値で締め上げても
かなりスムーズに
回ってくれます。
ブロック側が出来上がったら
ヘッド側の組み上げを
進め
ブロックとヘッドを
規定値で締結して行きます。
SOHCですので
カムスプロケットは1つです。
オイルストレーナー等も手順通りに組み上げたら
再塗装したオイルパン等を組付けて
エンジン単体としては完成です。
補機類を
装着しながら
車体に戻される、その日を待ちます。
こうやって手間暇かけて作製されるエンジンは、突貫で作ったエンジンとは異なり
吹け上がりのフィーリングやアクセルOFF時の転がり感がまるで違います。
そう言うフィーリングを知っているからこそ、こう言う手間の掛かる作業も惜しみなく出来ますし
その作業の意味が分かって頂けるオーナーに、このクルマが戻せる日を楽しみに出来ます。
同時作業しているSW20 MR-2の3S-GEエンジンも
ブロック単体になり
これからシリンダー内壁のホーニンング処理に入ります。
エンジンが造れるか否か、それはそのショップの
トータルでの完成度に大きな差を産むファクターだと思います。