R35 GT-R
オーナーから
「高速時やフルブレーキング時は問題ないんだけど、
40~50km/hぐらいで街中を走っているとクルマが左に持って行かれる」
とのご指摘
?
今まで経験したことの無い症状です。
チーフメカニックが試運転に出掛けると
「クルマがカクっとイン側に切れ込む時があって、その症状が出ると左に流れる。
一度全開で加速するとしばらくはまっすぐ走るけど、トロトロ走りながら交差点を曲がると
またクルマがカクっとイン側に切れ込んで・・・
その繰り返し」
との事
??
リフトで上げても何かメカニカル的におかしい所が無いので
もう一度アライメントテスターを装着して、数字を見ます。
すると、前回調整したはずのトーインが左右揃ってトーアウトに・・・
ん?でも
前回調整時のマークはズレてない
と言う事は
と言う事です。
前回のアライメント調整時、兎に角すべてのボルトナットが力の限りのガン締めになっていて
なんでこんなトルクで締め上げてあるんだろ?って思っていましたが
ボルトの直径とブッシュの内径の間に結構なクリアランスが出来てしまっていて
ボルトナットをかなりのトルクで締め上げないと、
そのクリアランス内で動いてしまうのを防ぐための処置だったようです。
全開時やフルブレーキング時は
このクリアランス内で最大トーイン、最大トーアウトになるのであまりブレる事が無いのでしょうか・・・
街中をトロトロ走ると、ステアリング操作がキッカケになったり、ブッシュのヘタリが大きい方に偏ってしまい、
その結果右リアのトーのみがトーアウト方向に振れてしまい
クルマとしては左に流れる。
辻褄はあいます。
ひとまずはアライメントの数値をもとに戻して、ロックナットを規定トルク以上でガン締め
これぐらいしか対策が有りません。
根本的にはブッシュの打ち替え、もしくはロッドの交換が必要になると思います。
同時に
デファレンシャルのサイドシールからオイル漏れが発生しているので
シールを交換して行きます。
本来はミッションを降ろして作業したいのですが
そんな時間も費用も掛けられないので、創意工夫で何とか外しましたが
結局ミッション降ろした方が楽だったかも・・・
やっとの思いで摘出したシールは
結構な勢いでズタボロになっていました。
実はこのミッション、日産のディーラー経由でOHされた物らしいのですが
この辺りのシールは交換しないんですかね。
ミッション部品ですが単品での供給はされますので、
距離の進んだR35オーナーは、そろそろこの辺りのシール交換も念頭に置いた方が良いかもしれませんね。
デフオイルでベトベトになってしまっていた
アンダーパネル類をすべて洗浄して組み付け、作業完了です。