ですが、やはりビッグスロットルのセッティングは簡単には終わりませんでした。
ただ、よく考えてみると
リセッティングが必要にならないビッグスロットル
って、その効果もイマイチって事ですよね?
巷では86 BRZ用のビッグスロットルに関しては
ポン付けで不調の出ないビッグスロットルが偉くて
不調の出るビッグスロットルはダメだ!みたいな風潮になっている様ですが
不調が出ない=それほどノーマルと変わらない
ことの証明であって、ビッグスロットルの効果としては無いに等しいのでは?と思われます。
ビッグスロットルにするとノーマルスロットルと何が異なって来るのか?
それをきちんと理解した上でリセッティングを行い
ビッグスロットルの本来の役目をきちんと果たさせてあげて
初めてパワーに繋がると思うのですが・・・
まあ、捉え方は人それぞれなのでね。
今回のオーナーはいわゆる吊るしのECUデーターをインストールした後に
ビッグスロットルと後期インマニを導入した所
特定の条件でのアイドリング上昇等の不具合が発症する様になり
どうせなら現車セッティングをと言うことで入庫して下さりました。
さてセッティングを始める前に
現状のパワーチェックです。
暖気を終わらせても、油温がある程度の温度になるまでは86はパワーが出てくれません。
MAXパワーを出力させ、落ち着いたところを基準の数値とします。
今回は208PSを入庫時のパワーとします。
クルマの仕様としてはNETSスポーツさんの鬼マニにTRDのマフラー
SYMSさんのインダクションボックスとサクションパイプ
ビッグスロットルに後期インマニが主なアフターパーツで
このセットに吊るしのECUデーターをインストールしています。
全開時はそれなりにキレイに回転上昇し、アプライドAのZN6の割にはパワーは出ている方だと思います。
これ以上のパワーアップを目指すとなると、結構ハードル高目ですかね・・・
昨日の記事でも紹介しましたが
ビッグスロットルやサクションの交換、エアクリーナーボックスの交換をした車両は
まず燃料学習がどれくらい入っているかを確認します。
この数字は要するに現状の状態では
8%分燃料が足りていない=8%分空気が多い
と言う事を表しています。
そこで流入空気量を制御するマップを書き換えると
燃料学習値は0になり、補正値も1桁の中に収まりました。
これでようやくセッティングのスタートラインに立ちました。
ノーマルスロットル用の基本データーをベースにA/F VVTI 点火を弄って行きますが
1700rpm付近でスロットルが開いたときのオーバーリッチが発生してしまいます。
ん~何が原因?
MAFスケール、点火、VVTIのIN.EXを
リアルタイムに変更できるようにプログラムを組んで
微妙な変更から、極端な変更までを試して見ましたがあまり特定の効果が得られません。
ログを確認すると、たった1700rpmなのにLOADが3000rpmと同じぐらい盛り上がってしまっていて
LOADが上がれば燃料噴射も増えてしまいA/Fが濃くなってしまう様です。
ビッグスロットルの開き方でエアフロが計測する流入空気量がココだけズレるんでしょうね。
ECUTEKを使うと回転数ごとでLOADのMAX設定が出来るので
低回転のLOADを絞り上げて対策しました。
後期の86をセッティングした時とおなじように
セッティングの肝になる部分はリアルタイムで変更しながら
各回転数でのベストな数字を洗い出し
入庫時208psにくらべ222psまでパワーアップしました。
この時のデーターをFULL POWERとして
今回は他に3つMAPを構築し
AFRをすこし濃いめにしたマップ
点火時期もすこし余裕を持たせたマップ
を作成し、普段は余力を持って走行して頂きここ一発の時にFULL POWERで走ってもらうことにしました。
4つ目のMAPは低燃費走行用のデーターになるので、高速をボーっと走るときなどに便利です。
ダイナパックから降ろして、実走セッティングに入ると
今度はクラッチを切って、ギヤをニュートラル以外にした時に
エンジン回転数がふわ~と上がってしまう症状が出ました。
これもビッグスロットルが故の弊害の様で、アクセルオフの時の目標流入空気量を少しずつ下げることで対策し
気にならないレベルまで落とすことが出来ました。
ダッシュポットとは少し意味合いが異なる様ですが、急激な回転のドロップを避けるため
フワーと回転が下がるように制御している部分が逆に作用してしまい
同じスロットル開度では空気が入り過ぎて回転が上がってしまっていた様です。
高負荷時のチェックが終わったら、マルチマップの切り替えや
ローンチ回転の変更をテストして問題が無いことを確認。
セッティング様のA/Fセンサーを取り外し作業完了となりました。
ビッグスロットルには少々手こずりましたが
アプライドAのNA車両としては過去最高馬力となる222psを発揮してくれたので
ビッグスロットル&後期インマニは効果大だと思います。
スマホやタブレットを使用したマップの切り替えや
ローンチスタートの回転設定を行うためには
ECUTEKが販売している
ECU Connectと言う端末を購入し、ECUTEKのバージョンを最新のものにする必要がありますが
エラーコードの読み込みや消去、ログの記録や
追加メーターの役割も担えるだけでなく
チューナーの腕次第では
トラクションコントロールの強弱の設定なども可能です。
もちろんスマホが手元に無くても
ローンチの回転設定やマップ切り替えは車両のスイッチを使って変更可能ですが
86 BRZ&GTRに関しては
トラクションコントロールセッティングとECU Connectのセット価格設定なども行っていますので
気になる方はお問い合わせください。