デモカー86 ZN6 トラクションコントロール制御

以前からやろうとは思っていたものの、ついつい先延ばしになっていた

ECUTEKによるトラクションコントロール制御

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純正のトラクション制御は介入までのスピードが遅く

介入したらしたで、スロットルをピシャっと閉めてしまうので

ズルっと流れたリアタイヤがいきなりグリップを取り戻してアタフタしてしまう場面も多いと思います。

しかも閉じたスロットルはなかなか再開しないので、トラクションを掛けながら前進なんてまるで無理です。

どん臭い介入をされ、解除も遅いトラクションコントロールなら無い方がマシ・・・

と言う事でサーキットを走る時はボタン二つを同時長押し

これ定番の走行前作業になってると思います。

 

そこでより積極的に介入するトラクションコントロールが出来ないかと

海外でMOTECのセッティングを行っている風景(←コレ大事)

を見ていたら

あ~こういうふうにすれば良いかもね!っと言うのが見つかり

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更にはスマートホンでトラクションコントロールの強弱を調整するシステムも組み上げてみたいと思っていた時に

とある所から

「86 BRZのトランクションコントロールって触ったことある?」

と問い合わせを頂き、やるなら今だな・・・と言うことになりました。

 

まずは制御の要となる前後のタイヤのスリップ率の計算ですが

ありがたいことにZN6は最初から4輪とも車輪速センサーが付いているので

そのセンサーからの信号を元に、どれだけ差が出たらスリップと判断するか

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そのスリップ率をベースにどうやって出力を低減させるかを決めるマップを構築します。

この辺りはECUTEK側からHP上で、大まかな設定の方向がレクチャーされてます。

そのデーターをベースに今度はトラクションコントロールの制御量がコントロール出来るように

新たなマップを構築します。

今回、トラクションコントロールの方法として、点火リタード方式とスロットルクローズ方式の

ハイブリッドでコントロールする事にしました。

ガバっと流れてしまう低速度域のコントロールはスロットルをメインに

高速でジワジワ流れて行くのは点火をメインにパワーをコントロールして行きます。

その為、当初は一つしかなかったトラクションコントロールも

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点火IGとスロットルTHの2種類のスライドバーを造って

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独立して制御出来るようにしてみました。

ダイナパックでパワーチェックする際は完全にOFFに出来ないと困るので

それぞれMIN側にセットして、純正トラコンもOFFにすればバーンナウトもOKです。

ブログにまとめるととても簡単そうですが、各MAPの構築中は頭が混乱していたので

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手書きで入出力をまとめて、どんな感じのMAPにすると良いのかをイメージしながら

造っては試運転を繰り返し、ようやく良い感じのデーターが出来上がりました。

 

ついでにローンチコントロールとローンチブーストも設定して

スタートからドンっと加速させて、滑り始めたらトラクションコントロールでねじ伏せる!

っと言うような加速も出来るようになりました。

まぁドライバーはアクセル全開のままクラッチを繋ぎ

そのままアクセルを離さなければ良いので、技と言う技は要りません。

 

2速で回る様な低速コーナーから、4速ステアリングだけで曲がる様なコーナーまで試して見ましたが

思っていたより、フルスロットルの時間が長く取れます。

微妙な効き具合はスマホで調整出来るので、ドライバーの好みにも合わせることが可能です。

 

ん~これなら、あのタービンを使ってもっとパワーを乗せてもサーキットでタイムアップ出来るかも・・・

ミッションは消耗品と考えて、予備を準備すれば良いしね。

〇〇〇さん、とりあえず86のトラクションコントロール、形になりましたよ。

 

ターボやS/Cで過給機チューンをしていなくても

サーキットでのタイムアタックを行っている方は

この方式でのトラクションコントロールはかなり有効だと思います。

 

ECUTEKをインストールする必要はありますが

アクセル全開のまま低速コーナーをスルスルと立ち上がって行く様子や

高速コーナーでテールスライドをするかしないかでグングン加速して行く姿ははかなり衝撃的です。

 

メインECUのセッティングとは別料金にはなりますが

気になる方、お問い合わせください。