ランクル80 LINK G4+ STORM 実走セッティング完了

今回のブログは文字が多いです。

文字嫌いの方、すいません。

 

ISCVの制御が出来るようになり

A/Fメーターの装着とノックモニターの設置まで出来たランクル80

実走行でのセッティングを行いました。

 

基本的には燃料と点火の調整なのですが、クロカン車両と言うこともあり

アイドル回転から低回転に移行するときに時間を掛けて負荷が掛かる場合を想定し

(岩を乗り越えたり、急な坂路を上る際ジワ~とトルクを掛けますよね。)

その辺りの点火の推移やアクセルONでの燃料増量等をセッティングしました。

 

一般的に今までセッティングしてきた車両ではあまり気にしない部分ですが

やりだすと色々な発見があり、やっぱりクルマって面白いですね。

 

また、低回転、高負荷でのノッキングが微妙に発生したので

点火マップにスロットル補正を設定し、特定のアクセルの踏み方で点火がリタードする様に

更にアイドル点火マップも新設定して、アイドルから通常マップへの移行の際

ノッキングが出ない様に辻褄合わせをしたところ

5速1500rpm アクセル全開ですぐに回転が上がらない様な場面でもノッキングは発生しなくなりました。

 

アクセルをあまり踏んでいないときは、A/Fフィードバックを有効にしていますが

フィードバックの目標空燃比に移行するまでの余分な燃料をカットする為

スロットル燃料補正を新設定して、スロットルポジションが低い場合は

積極的に燃料を薄くするようにも設定しています。

 

一通り走行中のセッティングが終了したら、今度は始動時のセッティングです。

今回の様にステッピングモーターによるアイドルコントロールの場合

ISCVが一度全開になり、そこから基準となるステップ数まで戻りアイドル用の空気流量を設定します。

この一度全開になる事をISCVリセットと言いますが、いつリセットさせるかで違いが出ます。

 

走行後キーをOFFにした時、次回のエンジンスタートに備えてリセットさせることもできますが

その為にはキーをOFFにしても一定期間コンピューターに電源を送るためのタイマー設定と

電源の確保が必要となり、多くの場合追加のリレーや常時電源の配線追加が求められます。

 

キーONでリセットを行う場合、追加のリレーや常時電源の配線追加は要りませんが

キーONで少し待つ必要があります。

秒数にして大体3秒ぐらいですかね。

待たずにエンジンスタートすると、ISCVがリセットから戻って来るまでの時間が足らず

開度的に多めに開いた状態でエンジンスタートするので、回転が上がり気味となります。

動画前半はキーONであまり時間をおかずにセルスタートするので回転が1000rpm付近まであがりますが

後半はキーONで少しタメを作っているので、セルスタート後の安定回転数が低いです。

まあ、かなりマニアックな話ですが、この辺りの設定も

如何に純正ECU制御時との使い勝手の差を少なくするかと言ったノウハウにつながります。

 

もちろん

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低水温時のISCVの開度や燃料噴射追加量、始動後の補正値なども各水温で細かく変化させる必要があるので

実際にその水温になる様に待ってあげて、セッティングする必要があります。

 

これらの細かい設定はフルコンだから出来得る事ですが、逆にここまでの細かい設定が出来ないと

フルコンを入れる意味がありません。

アクセル全開域の燃料と点火は、極端な話、20分もあれば決まります。

フルコンで難しいのは、それ以外の領域を如何に扱いやすくセッティングするか

なのですが、その為には実際にそのシュチュエーションを作り出さないといけません。

当然、色んな現象を見る為には、それなりの走り込みが必要となって来るので

セッティングに掛かる費用もガソリン代も高額になります。

 

サブコンは基本的に純正ECUの命令に対して、横から口出しをするレベルなので

根本的な制御は純正データー頼みです。

特に空燃比フィードバックが行われているような車両&領域では

サブコンの言う事なんてサラサラ聞いてくれませんので

学習や補正機能の備わった今時のクルマの場合、メインECUのデーターを書き換えて

補正の領域を変更するかカットしてあげないと

通常使用領域でのドライバビリティーの向上は無理だと思います。

っが、メインECUのデーターを書き換えるのであれば、サブコンは必要ない訳で・・・。

(SE3P RX-8にボルトオンターボを付けた場合などは

 純正ECUも書き換えたうえでサブコンも同時にセッティングする必要がありますけどね。)

 

今回サブコンのHKS Fcon ISを使おうか、LINKのフルコンG4+を使おうか

ユーザーを含めて悩みましたが、フルコンを選択して大正解だったと思います。

費用的に高額となるデメリットはありますが、それ以上に思う通りにデーターを操ることが出来ました。

アイドルコントロールから低負荷域 高負荷域ともに入念にセッティングした結果

入庫時のモサっとした走行感を無くし、アクセルをグイっと踏めばフロントがリフトするような加速へ

通常走行域は無駄な燃料供給をやめて、低燃費にも貢献できるような内容になったと思います。

 

きちんと結果を出すためには、それなりのデバイスを使うことは必須ですし

そのデバイスを使い切る為、セッティングを行う側のスキルも求められます。

どちらが欠けても結果は出ない・・・と思います。

サブコン類を否定する気はありませんが、やはり出来る事の限界を理解して導入する必要があり

それ以上を望むのであれば、予算を含めたステップアップに踏み切る覚悟は必須です。

中途半端な改造でゴチャゴチャ文句ばかりを並べて

施工した店のことをボロクソに言っている人が稀に見受けられますが

きちんとした自分の意志と作業指示、それに見合った予算を提示したのでしょうか?

 

すこし話が逸れましたね。

 

現状のデーターにて一度オーナーに乗ってもらいました。

「今までとは全然違う。エンジンを他の物に変えたのかと思うほどの違いです。

 単純に1UZを載せた時はただモサ~と回転が上がるだけだったのが

 フルコンで制御すると、ここまで力強く回るようになるんですね。

 始動後のアイドリングの安定感も抜群です。」

との評価をして頂きました。

 

実は80のランクルでディーゼルエンジンから1UZに載せ替えている事例は

今回のオーナー以外にも沢山いるそうで、同様の不具合で悩んでいるパターンも多いそうです。

すべての事例に対してフルコンが必須ではないと思いますが

1UZの本領を発揮させればクロカン競技でも有利に立てるのではないかと思います。

アイドリング不良やハンチング、走行時のギクシャク感で悩んでいる

1UZ搭載のランクル80ユーザーの皆さん、LINKのフルコンによるECUマネージメントで

今とは見違えるような走りと安定感を実現して見ては如何でしょうか!?