GRS214 クラウン 現車合わせセッティング完了!

先日のブログでダイナパックに載せられた状態をアップした

GRS214 クラウンですが、当店としては初めての車種になります。

 

エンジンは2GR-FSEでポート噴射&直噴併用で

雰囲気的にはGRX133マークXと同じ様な感じなのですが、ATは8速ですので

ミッション周りはGRL10 レクサス GS350と似ています。

 

まずは

OBDからデーターの読み出しが出来たりしないかな~なんて甘い考えでテスト通信・・・。

世の中そんなに甘く無いですね。

ダメでした。

車両から

ECUを取り外して

基盤を調べながら

直接通信できる端子を探し

純正データーを読み込んで行きます。

 

読み込みが終わったら、読んだデーターのどの部分が制御マップなのか

データーの定義付けを行い、それっぽい数字が表示されるようにアドレスを割当てて行きます。

 

ついでに毎回基盤に直接アプローチして書き替えするのは面倒なので

2回目以降はOBDから書き込みが出来る様に工夫しておきます。

 

っで

OBDから書き込み出来るのを確認したら、まずはスピードリミッターをカットして見ます。

180K超えてもタコメーターはグングン上昇するので、大丈夫ですね。

これで純正と異なるデーターを書き込んでも大丈夫な事が担保されました。

 

次は入庫時の状態でのパワーチェックです。

AT車両の場合、アクセルの踏み方が非常に難しいです。

パワーチェックスタートと同時にアクセルを全開にすると

キックダウンが入ってしまい、ギヤレシオが変わってしまいます。

かと言ってビビりながらアクセルを踏んで行くと

グラフのピンクのラインの様に低回転のトルクが乗りません。

さらに低回転はトルクコンバーターが働くので、実際のエンジンではなく

コンバートされたトルクが表記されるので、実際にはロックアップ後

3000rpm以降で比較するのが妥当だと思います。

 

中速以降のグラフが重なった所で安定したパワーが出力されるようになったと判断し

323.7ps トルク40kの水色のグラフを基準とします。

 

さてここからがECUチューンです。

何回かECUのデーターを変更し

GRS214 クラウンの車種別データーとしてはこんな感じにしました。

グラフとしては太い水色線です。

 

335.7ps トルクは42.1kですが

純正時の5200rpm辺りのトルクの谷を無くしたので

4000rpmから6000rpmまでパワーが一直線に上がって行きます。

 

そして今回は現車合わせセッティングのご依頼ですので

エアフロのデーターやノックレベル、AFRをモニターしながら

個体差を加味した上で更にパワーを上げるべく微調整を繰り返します。

結果はオレンジのグラフになりまして、347ps トルクは43.4kです。

入庫時から比較するとパワーで23ps トルクで3.3kの差になりました。

 

最大パワーのセッティングは終わったので

ダイナパックから車両を降ろし、今度はアクセル過渡期のフィーリングをチェックして行きます。

 

最後に一晩置いて水温を目いっぱいまで下げた上での低水温始動と低水温走行を確認して

セッティング完了となります。

 

これでまたECUチューンのラインナップが1台増え

GRS214 クラウンのECUチューニングが可能となりました。

 

 

GRS214クラウンにお乗りのオーナーの皆様、ECUチューン 如何でしょうか?