昨日のブログにてセッティング完了をアナウンスした
CT9A ランエボ8!
エンジンは
MIVECが装着されていない4G63ですが、内部をチューンする事で
驚くような低回転で高トルクを発生しています。
ハイ、ドンっ!
グラフを説明しますと
赤い破線がCT9A ランエボ9のノーマル車両(MIVEC)で
281ps トルク41.5k 最大トルクの発生は3600rpm前後です。
TCFは1.2で表示していますが、このノーマルエボ9をカタログパワーに合わせる為の数字です。
緑のグラフは、今回のランエボがまだ純正チタンタービンだった時のグラフで
HKSのハイカムを使いバルタイセッティングしブーストを1.5k強掛けた時のものです。
400ps トルク52k 最大トルク発生は4500rpm付近で
トルクの立ち上がり方はMIVECエンジンに負けています。
そして水色のグラフが今回のパワーとトルクで
523ps トルク68.3kです!
「ブーストをバンバンに上げたんでしょ~」
って言われそうですが
最大ブーストはほとんど変わっていません。
っが、ブーストの立ち上がり方は段違いに今回の仕様の方が早いです。
タービンは三菱のTF06-07で、最大風量も上がっていますが
トルクの立ち上がりもE/Gチューンのお陰もあって、どこもスポイルされていません。
3000rpmでトルク47k 3200rpm回せば65k!
ミニサーキットでも十分通用する立ち上がりとフルサーキットで十分なパワー。
理想的な組み合わせなのかもしれません。
しかし
この組み合わせにもデメリットがあり、最低ブーストの確保が出来ません。
ブーストコントローラーをOFFにしても回転上昇と同時にブーストが競りあがって行きます。
4500rpm付近までは0.8k前後を保ちますがその後はグングン上昇して行き最後は1.6k・・・。
ブーコンをONにして最初から1.5k付近でコントロールすれば
高回転でも同じ様な数字がキープできますが
OFFにしたり、設定ブーストを下げてしまうと競り上がり現象が起きます。
エンジンの排気キャパシティーに対して
タービンポペットバルブバイパスキャパシティーのバランスが取れていないのでしょうね。
ここまでエンジンをチューンすると
出来ればウェストゲートでのブーストコントロールをさせたいのが本音です。
今回は先にタービン交換が決まっていて
念のためエンジンを開けたらNG箇所が見つかったと言う経緯があるので・・・。
それでもブーストコントローラーで1.5k以上掛けていれば問題はなく
下から上までストレスなく加速して行きます。
エンジン組み立て室を撮影すると
4G63のヘッドがあり
燃焼室を見るとナプレックのハイレスポンスキットのレース仕様!
ビッグバルブに
強化バルブガイドが打たれて、燃焼室の容積測定済みです。
この数字をもとに指定圧縮比から逆算したピストンクラウン容積にて
カスタムピストンをオーダーしています。
そう、このエンジンはコチラのブログで取り上げた
飛んでも無い仕様で組み上げられていた4G63を作り直す事にした、そのエンジンです。
ブロックは
新品がすでに入荷しているので、カスタムピストンが届けばリビルトが始まります。
基本的には今回セッティングしたエボ8と同じ様なエンジン仕様ですが
組み合わせるタービンが飛んでも無くでかいので、そこをどうセットアップしようか悩みどころです。
更に
もう一機、エボ8ブロックを使用した鍛造ピストン&H断面コンロッド仕様の
2.0Lブロックも製作中なので、現状4G63は2機組み立て室に上げられています。
更にさらにもう一件、4G63のチューンドエンジン作製の商談も入っているので
今後も4G63の作製はしばらく後を絶たない様な気配です。