以前のパワーチェックで、マフラー交換による大幅なパワーダウンを経験した
こちらのR35 GT-R
今回は排気効率を大幅に見直して
(・・・わかりやすく言うと、造り直した・・・と言う事です。)
リベンジです。
ちなみにこのマフラー
左側の出口はスイッチ一つで全閉、全開にすることが出来
全閉時は純正マフラーの近接騒音を下回るという、まさにサイレントなマフラーです。
(シャッターバルブは可能な限り大きいものを入れた為、ワンオフ品だそうです。)
さて
今回のサイレントマフラーVer2
(勝手にそう呼んでますが、正式名称は知りません。)
どこまでのパワーに対応しているんでしょうか?
まずは現状でのパワーチェックを
行って見ましたが
残念ながら失火を起こしています。
赤いグラフはサイレントマフラーVer1の時のグラフですが
今回、HIブーストでもLOブーストでも、マフラーからパンパンと言う失火の音が鳴り響きます。
900psオーバー車両のミスファイア音は迫力満点で、いきなり鳴ると結構ビビります。
プラグを見てみると
HKSさんのM50HLで熱価にすると10番相当
熱価が問題なのか、このプラグが個体的にダメなのかはわかりませんが
以前1060psを発揮した際はM45HLと言う、9番相当のプラグを使っていたので
今回もM45HLの新品に交換
すると
失火は消えて、パワーも930psほどを発揮
ブーストを比べてみるとサイレントマフラーVer1の時よりも
立ち上がり・高回転時の維持ともに良い感じになっています。
ただ、最大ブーストは若干下がってしまっているのでブーストコントローラーを使って
最大ブーストを設定し直します。
HKSのEVC6シリーズは、ブーコンOFF時のブーストを基準として各ブーストを調整しているので
マフラー等が変わって最低ブーストが変わると、根幹からすべてをやり直す必要が・・・
ハイっ もちろん、すべてやり直しております。(笑)
この時点でパワーは960ps前後まで向上というか、再生というか。
ブーストのモードABCすべてのブースト設定を造り直し
パワーチェックすると
HIブースト高回転時に今度はノックリタードを起こしています。
もしかしたら・・・とは思っていましたが、ECUも微調整が必要の様です。
ノックリタードが入らないように基本点火時期を少し下げ
点火を遅らせた分上昇したブーストを、再度ブーストコントローラーで微調整し
こんな感じのブーストで
パワーはこんな感じです。
この時点でオーナーからちょうど電話が掛かってきて
「できれば、このマフラーで1000psを超えれると嬉しい!」
との事
「いや~ノックや失火の事を考えると、1000psはちょっと難しいかも知れません。」
とは、言いつつも・・・
お願いされたら叶えたくなりますよね。
微調整はやめて、リセッティング!
どうせリセッティングするならと言う事で
ブーストA 1.6kとブーストB 1.8kのトレースラインを小変更し
グラフの波をなだらかにして6000rpm以降のパワーダウンを最小限にしました。
そして、肝心のブーストC 2.0kは
点火で高回転のパワーを稼ごうとすると、ちょいとリスキーなので
基本トルクの向上を狙って
なんとか、1001ps トルク149.3k
充填効率の問題か、燃焼室の排気圧力の問題か、単純に排気系の容量限界なのか
それとも単純にプラグとの相性の問題か
6000rpm辺りで失火しちゃいましたが・・・
プラグを他メーカーに変更して試したいところではありますが
目標馬力を突破したので、今回のリセッティングはここまでとします。
それにしても、純正マフラーより静かなマフラーで4桁馬力を達成!
オーナーのこだわりには頭が下がります。
後ろから近づかれても、まったく気づく事なく
横に並んだ瞬間にGT-Rだと認識しても、音もなく消え去ってゆく白いR35・・・
怖い怖い