低年式スポーツカーの異常人気の裏にはこんな落とし穴も!経年劣化や経年破損に注意!!

新車で買えるスポーツカーに欲しいクルマが無い!?

とか

今時のスポーツカーは面白くない!?

と言う

古き良き?時代から抜け出せない、一定数のモータージャーナリストの影響なのか

低年式のJDMスポーツカーが、世界中で大人気ですね。

 

自分としては肯定も否定もしませんが

そのクルマに合わせた楽しみ方ってのがあると思います。

 

最新のEVも、万能ではありません。

メリットを生かした走らせ方、乗り方、使い方をしないと

常に充電の事を考えながら走らないといけないツマラナイ車ですし

最高速300㎞/h以上を誇るスーパースポーツも

燃費や使い勝手を考えれば、200万円前後で買えるスイフトスポーツの方が断然バランスの良いクルマです。

 

ただ、低年式になればなるほど、経年劣化と言うトラブルが付いて回るのは事実です。

劣化を通り越し、破損と言うトラブルに見舞われる事もあり

旧車に乗ると言う事は、そこもひっくるめて楽しめるような懐の深さが求められます。

 

オーナーの愛情が長年注がれて来た

このST185 セリカGT-FOURは、以前当店にて全塗装した車両です。

 

今回はクラッチペダルの踏み込み感触がおかしくなり、切り切れていない様な症状で入庫。

当初はクラッチマスターが抜けてしまい、レリーズに油圧が掛けられないのか?と思いましたが

原因はクラッチペダルブラケットの

破損!でした。

想像に容易く、純正部品はとうの昔に廃版です。

 

補強を施しながら

溶接にて補修し

艶消しの黒で塗装。

折角なので、クラッチマスター等も内壁を掃除してしっかりと油圧が掛かる様に対策して行きます。

 

こちらのS15 シルビアも

以前、当店にて全塗装を施した車両ですが、クラッチ不良で走行不能に・・・。

クラッチペダルには踏み切った感があるので

早々にミッションを降ろして

クラッチを確認すると

摩耗限界を迎えていてズルズルの状態でした。

ミッションの締結状態からして、おそらく新車から今日までクラッチは未交換!?かと。

 

逆に言えば、良く頑張ってくれた!と誉めてあげたい純正クラッチですが

今回はNISMOのスポーツクラッチキットを使ってリペアして行きます。

 

もちろんフライホイル等は一度取り外して

エンジン側の清掃とリアクランクオイルシールの交換を施工。

ミッションベルハウジング内も一度キレイに清掃して

オイル漏れ等が無いか確認して行きます。

 

ただ、クラッチだけを交換するのであれば大した時間も工賃も必要ありませんが

折角ミッションを降ろしたのですから、付随する部分を点検しない手はありません。

こう言う部分をしっかりと行うのか行わないのかはそのお店のカラーです。

 

とにかく安く仕上げて欲しい人にとっては、こう言う点検は逆に嫌な気分になるのでしょうが

愛車に長く乗り続けたい人にとっては、こう言う作業が求められます。

 

平成前半のJDMスポーツカーは、今では普通に乗られてはいますが

20年経過は当たり前で、クルマによっては30年以上経過しています。

大衆車であれば、とうの昔にスクラップにされていて当然の経年具合です。

 

いつもと、ちょっと様子が違うな~と感じた時

気軽に症状が相談出来る、主治医を決めておくことが大切ですね。

 

 

それにしても、同じ赤色で全塗装された2台のクルマが

同じタイミングで、同じクラッチ異常で入庫すると言う、この偶然。

ある意味、宝くじを当てるよりも少ない確立なのでは?笑