かなりの数の一覧表をECUチューンに載せてますが
それでも対応出来ていない車種の方が多いのは明らかで
一覧表にない車種へのECUチューンへの問い合わせを受ける事も多いです。
その際はまず
「(車種名)に関しては施工履歴が無い為、ECUチューンの可否
そしてその内容に関しては現段階ではなんとも言えません。
取り扱った事の無いECUでは、まずはECUとの通信が可能なのかを調べなければいけません。
この作業は通信の可否に関わらず35000円(税別)必要になります。
ここで、ECUとの通信が可能となった場合、次はECU内のデーターを読み込んで解析を行い
どのデーターが何を掌るのかを検討して行きます。
この解析により理解できたECUデーターの難解度に応じて、ECU書換の価格が決まって行きます。」
と言う趣旨のお返事をさせて頂きます。
じゃあ、この35000円掛かるECUとの通信とは・・・?
エンジンを制御するエンジンコントロールユニット、通称ECU
このECUは様々なメーカーが様々なロジックを使って開発しており
同じ車種でもグレードが違うとECUが異なる事は良くある話です。
ECU内の中央演算装置に関しては自動車メーカー側も何が使われているのか知らない事のが多いです。
(ルネサスが倒産しそうになった際、ルネサス製のマイコンを自社が使っている事を知らなかった・・・て言う有名な話がありましたね。)
それらのマイコンやECUの基盤制御は各々通信プロトコルが異なり
OBDから通信出来る物、ECUのピンから通信できる物
ECU基盤に直接アプローチしないと通信できない物等々、様々な規格が存在します。
通信方法が分かってもその手順や順番はプログラムを造ったエンジニアによって異なるので
ECUとの通信を確立させるまでが、とんでもなく大変なんです。
この通信確立方法を他の作業の合間をぬって調べて試していかなければいけません。
場合によっては通信電流の探りを入れる際にオーバーアンペアでECUブローって言うリスクもあります。
調べに調べ抜いて、その結果が現段階ではこのECUとの通信が不可となった場合
この工賃と作業リスク、全部店が負担しなきゃいけないの?って話になります。
なので、新規車種でのECUチューンを受ける場合は
通信が出来ても出来なくても35000円は掛かりますよ。って言う話をします。
通信出来なかった時にその代金をお客に請求するのはおかしい!って思う人も居るかもしれませんが
そもそも、こちらがお願いしてその車種のECUチューンを試させてください!って言う話ではないんです。
例えば、新しいECU通信の試作機を買って、〇〇と言うECUと通信できるらしい・・・と言う情報があった場合。
該当車種に乗っているお客さんに頼んで、ECUと通信させて欲しいってお願いします。
仮に、その通信が出来なかったとしても、こちらからお願いした事なんで費用を請求する事はありませよ。
そうではなくユーザー側から、弊社の対応車種一覧にない車両のECUチューンを依頼された場合
施工したことのないECUとの通信を行う為に、まずはどのツールを使うのか?
そのツールのプロトコルは何?通信の為の条件はどこから情報を得る?
読み込みと書き込みは同じプロトコル?
調べなきゃいけない事は山ほどあり、調べた情報を参考に試さなきゃいけない事も山ほどあります。
それらをすべて試した上での結果が、通信できませんでしたってなったとして
その工賃、請求できないんですかね?
まあ、考え方にはそれぞれ違いがあるので、自分の考え方を他店に強要する気はありませんが
少なくと半日ほど要する確認作業の約半分をユーザーに請求することは
自分は妥当な請求だと思ってます。
まあ、今までこう言うパターンで、どうにもならなかったのはGGH30の前期用ECUだけで
その他のECUはなんだかんだ言って、何とかは出来てますけどね。
少々話が長くなりましたが、最近新規車種のECUチューンへの問い合わせが多いので
個別にメールや電話で説明するより、ブログで書いておいた方が良いかなと思ってアップしました。