ZC33S スイフトスポーツ前期 ノーマルタービンハイブースト仕様!

先週はタービン交換車両のZC33S スイフトスポーツ

現車合わせセッティングしていましたが、今週は

山口県から入庫したZC33S スイフトスポーツのセッティングからスタートです!

 

こちらの車両はすでに

パワーエディターが装着されている物のECUとプラグはノーマルでしたので

色々と検証を行いながらセッティングを進めて見ました。

 

まずはパワーエディターの有無

でパワーとトルクがどこまで変わるのか?ですが

上の画像の様にパワーエディターには復帰カプラーがあるので簡単に有無の比較が出来ます。

ZC33S車種別のパワーエディターを装着するだけでブーストはここまで上がります。

グレーが未装着、オレンジがパワーエディター装着です。

 

ここまでブーストが上がれば、トルクはとんでもない事になるかと思われるのですが

結果は非常に残念な物で、3500rpm付近で思いっきりトルクダウンします。

ブーストは上がってるのに、何故?

 

原因は

点火時期です。

破線がパワーエディターあり、実線がパワーエディターなし

緑がトルクカーブ、水色がパワーカーブ

ピンクが点火時期の推移でオレンジはサージタンク計測のブーストです。

 

破線と実線で比べると、ブーストは思いっきり上がっているのに

点火時期はごっそり落ちているのが見て取れます。

ブーストだけ上げてもパワーが上がらない、最近のクルマの典型的な制御です。

 

もちろん参照するグラフは

何本もパワーチェックして、ある程度グラフが重なった時の物を採用し

奇跡の一本や暖気前のパワーの低いグラフは使いません。

 

続いての検証は

プラグをレーシングプラグに替えるとパワーは落ちるのか!?

 

とある動画を見て

「プラグをレーシングプラグに交換するとパワーが6馬力も下がるそうですが

 なんで、そんな、パワーの下がる物をわざわざ付けるんですか?」

って問い合わせが来たことがあります。

 

レーシングプラグ付けて、パワー、下がるんですかね?

んな訳無いやろっ!って思いながらも、下がったら嫌なんで

ノーマルプラグ+ノーマルECUと

NGKのレーシングプラグ+ノーマルECUで検証。

もちろんグラフはある程度軌跡が重なった時のものを参照します。

↑これ大事です。

プラグ交換直後の一本目のグラフなんて、プラグに熱入ってませんし

ECUの学習もズレてますし、なんならプラグ交換中にエンジン冷めてます。

プラグ交換前も交換後も何本かパワーチェックグラフが重なった物を使わないと意味ないっす。

 

今回はプラグ交換前後で3本ずつグラフが重なった時の物を参照し

それぞれ1本の代表選手?に出てもらうと

破線がノーマルプラグ、実線がレーシングプラグです。

パワー、落ちてません。

誤差の範囲ですが、なんならパワー上がってます。

最大トルクに関しては若干落ちてますね。

 

まったく変化ない!とは言いませんが、6馬力もパワーが落ちるなんてことはありません。

比較検証を行う場合は、条件を極力揃えると言う一番大事な事を守るべきかと・・・。

 

さてレーシングプラグを装着してもパワーが落ちるなんてことは無いと確証出来たので

いよいよECUの現車合わせセッティング開始です。

 

まずはパワーエディターを使わない状態でセッティングし

その後パワーエディターを接続したハイブースト仕様を造って行きます。

入庫時と比べると大幅にパワーアップし最大で203ps トルク39.3kでした。

 

先に書いた文章でも説明していますが、パワーエディターには復帰カプラーがあるので

パワーエディターの有無は簡単に切り替え可能です。

 

普段はパワーエディター無しでサーキット走行時は有り!なんて言う使い分けも可能です。

選べるって、選べないよりかは嬉しいものですよね?笑

もちろんパワーエディター有りでも無しでも問題無いデーターを

ECUにインストール出来るからこそ可能になる話です。

 

パワーエディター無しでも195ps トルク36.1k

真夏で気温は35度オーバー、湿度90%近くでの記録値なので

かなり良い感じの数字だと思います。

 

そして今回はもう一つのギミック

ツインECUも

施工しました。

 

通常1台のクルマには1台のECUになる様に、イモビのデーターと言う物は複製できません。

っが、あくまでそれは通常の範囲の話です。

ECUを書き換えること自体、通常では行いませんが

もう少し足を踏み込むと2つのECUに同じイモビデーターを書き込む事も可能で

どちらのECUでも

エンジンが掛かり、走行出来てしまいます。

 

ダイナパックから降ろされた

赤いZC33S スイフトスポーツ。

 

その奥ではすでに

次のZC33S スイフトスポーツが現車合わせセッティングの為

ダイナパック設置位置にスタンバイしてます。