ZC33S スイスポ用ECUチューン Step2以降にプラグ交換が必要なのはなぜ?

販売開始から1年ほど経ちましたが

ZC33S スイフトスポーツ用のECUチューン各種が好評を頂いています。

 

購入してくださる方の7割はStep2を選ばれます。

その時に必ずと言って聴かれるのが

「プラグは絶対に替えないといけませんか?」

と言う質問です。

 

「他店のECUでは、同じ様なパワーが出ていても

 プラグもノーマルで大丈夫と言う物があるのですが

 ビークルフィールドさんのStep2はプラグ交換必須なのはなぜですか?」

ここに来て1週間で5回ほど同じ返答をしましたが、いい加減面倒なので

ブログに書いておきます。笑

 

他店さんがどんなセッティングや走り込みをしているかは知りません。

なので、他店さんがプラグ交換無しで良いと言う理由は知りません。

しかし、当店でStep2データーを作製している時に起こった現象は説明できます。

 

まず、製作された順番はStep2→Step1→Step3です。

基本的に吸排気には手を入れない状態での限界を見極めると言う感じで

Step2の開発を行いました。

 

ダイナパック上では確かにプラグ交換をしなくても

それなりのパワーやトルク向上が出来、ノックも出ない場面がありました。

っが、それは一定条件の中で送風機をきちんと当てた

限られた条件です。

 

ダイナパックから降ろして、実走行テストに入った際

ローギヤーでの走行時、走行風がそれほど当たらない条件で

高回転高負荷を連続使用すると、空燃比が一気に濃くなる場面がありました。

 

Logを見ながら、各データーの相互関係を見つめてみると

ノックセンサーの反応と空燃比の変化に関係のありそうな閾値を見つけ

その閾値に触れない様な点火時期に遅らせると空燃比は変化しない事もわかりました。

っが、点火時期を遅らせると言う事はパワーダウンを招きます。

 

数本のパワーチェックでは発症しなかったこの問題を解決する為

点火時期を遅らせて再度パワーチェックして見ると

予想通りパワーダウンと言う結果でした。

 

折角出力出来たパワーを、常時発症する訳ではない症状の為に落とすのは忍びない・・・。

ECUデーター以外の部分でなんとかならないか?を考えて試したのが

プラグをNGKのレーシングシリーズに変更する事でした。

 

7番、8番、9番と試してそれぞれの番手でECUセッティングを微調整すると言う

非常に手間と時間のかかる作業を1週間ぐらいやったのを今でも覚えています。

 

7番は正直、ノーマルプラグと大差ありませんでした。

8番はプラグの焼け具合やノックセンサーの反応

空燃比の変化共に非常に安定しました。

気を良くして9番を試し、もっとパワー上がらないかな?と思いましたが

今度はプラグが冷えすぎてしまって燃焼効率が落ちてしまいました。

 

結果としてNGKのレーシングプラグ8番を使用することを条件に

Step2はパワーを落とさずに

ノックセンサーや空燃比を安定させることが出来ると言う結論に至った流れです。

 

ダイナパック上で数本パワーチェックしただけでは問題は見抜けませんし

正確な各種ログデーターが無ければ、この因果関係は分からないと思います

 

Step2での結果を受け、今度はプラグを交換しなくても

実走行による連続高負荷走行で空燃比が大幅にズレないデーターとして

Step1を開発したと言う順番なんです。

 

Step3はそもそも吸排気の交換を念頭においていたので

Step2とStep1が出来た後にマフラー交換をして・・・と言う順番です。

 

ここまで説明した上で

「プラグは絶対に替えないといけませんか?」

もう一度この質問を考えましょう。

あなたはどう思いますか?

 

「他店のECUでは、同じ様なパワーが出ていても

 プラグもノーマルで大丈夫と言う物があるのですが

 ビークルフィールドさんのStep2はプラグ交換必須なのはなぜですか?」

あなたはどう感じますか?

 

店としてはどのオーナーがどう言う使用条件で走るのかは把握できません。

データー作製時に、嫌と言う程、実走で走り込んだ結果

ECUのパフォーマンスを十分に発揮するには

Step2にはNGKレーシングの8番プラグが必須です。

これが店としての答えです。

 

各ユーザーが自己責任でプラグを交換しなかったとして

「別に不具合ないです。」

「サーキットでパワーダウンした。」

色々な結果報告があったとしても、それは上に書いた理由があるからです。

どのECUを選ぶかはユーザーの自由です。

選択時の参考情報になれば幸いです。