BCNR33 GT-RのECUセッティング~ZN6 86のECUセッティングへ

GW中もがっつりECU三昧させて頂いています。

ZC33SFK8のECUチューンからBCNR33の現車セッティングへ移行し

まずはバルタイの調整からスタートです。

今回タービン、カムを含めたエンジンはノーマルのまま

吸排気パーツとバルタイでトルクを出すのが目的なので

このバルタイ調整が肝心要となって来ます。

 

グラフはブーストコントローラーをOFFにして、ブースト0.55k前後でのバルタイ調整時です。

基本的な方向性を決めた後の微調整時のグラフですが、RB26のトルクと言うより

最近のダウンサイジングターボを積んだ車両のグラフに似たトルクカーブです。

3200rpmほどでトルクが立ち上がり、そこから6200rpm前後まで維持します。

7000rpm以降のパワーは若干犠牲になりますが

街乗り領域のトルク確保が今回の最重要案件ですので高回転域は目をつぶります。

 

バルタイが決まった段階で

タイミングベルトカバーを装着し、クラセンを固定します。

すべてのセッティングが決まった後にタイミングベルトカバーを装着すると

その際の微妙なクラセンのズレで点火タイミングが変わってしまい

パワーが落ちたり、ノッキングしたりするので

出来るだけこの段階でベルトカバーを装着してしまいます。

逆にもうバルタイは弄れません。いや、弄りません。笑

 

ブーストコントローラーが今回はHKSのEVC6 2.4IRなので

ABCの3つのモードとOFFの4つのブーストを構築して行きます。

OFF以外はなるべくブーストが安定する様に2.4IRの3Dマップ機能を使い

回転とアクセルの踏み代に応じたブースト補正を行いました。

フルブーストの時だけはトルクの演出を行う為に少々オーバーシュートさせてます。

 

このブーストにて発揮したパワーは・・・

なんと同じブースト、同じECUデーターでも

BNR32のECU使用時とBCNR33のECU使用時では大きな差が出ました。

同じ色のグラフで分かりやすいように表示してます。

各グラフの色は上のブーストグラフの色と合わせてあるので

オレンジ色がハイブースト、ピンクがMID、水色がLOと言った具合です。

そして同じブーストでも、太い線がBCNR33ECU使用時

細い線がBNR32ECU使用時です。

 

主なパワーの違いはAFRの違いで、同じデーターを入力しても

16bitで処理速度の速いBCNR33ECUは補正マップを読みに行く時間がはやく

より的確に燃料補正マップ通りの指令が送れるようです。

8bitのBNR32ECUと比べるとAFRが0.5ぐらい違い、その差がパワーとなって現れます。

 

前々から16bitと8bitの違いは気になっていましたが

ここまでハッキリした差が出ると、BCNR33にBNR32用のECUは・・・

使いたくないですね。

 

比較グラフを取り除いて

単純に今回のパワーグラフです。

この車両のノーマル状態のパワーチェックは出来なかったので

分かりやすいビフォーアフター表示は出来ませんが

TCF1.2で475psなので、TCF1.0でも400ps近くは出力しています。

 

タービン、カムノーマルのRB26としては結構下からガツンとくる仕様だと思います。

 

ちなみに

バルタイや吸排気は弄らず、ECUをLINKのG4+に変更してセッティングした

BNR32 GT-Rのグラフと重ねるとこれだけの差があります。

BNR32はブーストが1.0kぐらいなので、単純な比較は出来ませんが

トルクの立ち上がり方にどれだけの違いがあるかは一目瞭然ですね。

 

低速トルクの細さはRB26の特徴で、無くすためにはVcamが必要!

と言うのが若干定説化されてますが

固定のバルタイでもこれぐらいの感じにはすることが出来ます。

Vcam導入までの予算が組めない場合はご相談ください。

 

 

さて、BCNR33 GT-Rをダイナパックから降ろしたら

今度はZN6 86の現車合わせセッティングです!