Team TETSUJIN JZX100 マークⅡセッティング完成

今回のブログは長いです。

覚悟して読んでください。

覚悟が無いなら、読まないでください(笑)

 

 

え~、スタッフ間の意思の疎通不足により

納車日が今日だとは全く知らなかったTeam TETSUJINのJZX100

 

2日前の月曜日の夜、チーフメカニックから

「明日、TETSUJINさん クルマ取りに来るみたいだけど間に合うの?」

「・・・何の事? 明日、取りに来るって・・・」

「・・・」

「・・・」

 

絶対に間に合う確信は無く、不確定要素もテンコ盛りのJZX100 マークⅡ

クリアしなければいけないハードルは幾つあるのやら・・・

先方に電話を入れ、

納車が間に合うかどうかわからない、と言うか多分間に合わないと思われるものの

やれるだけの事はやってみます!と伝え一気にフルブーストモード

 

とは言っても、さっきエンジンオイル入れてLLCを注入したばかりの状態で

エンジンが掛かるかどうかも?な感じです。

先は長い

 

すぐにダイナパックに載せ

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インジェクター係数と無効噴射時間の設定

始動時噴射時間と低水温補正値を入力

エンジンスタート!

スタート・・・

スター・・・

掛からず

 

長期在庫のインジェクターだったらしくグリスが固着って燃料噴かず状態

15Vぐらいをぶち込んで無事稼働、エンジンも始動

無効噴射時間は説明書とはまったくちがう数字にしたらアイドリング安定しました。

HKSさん、嘘を書いてはいけません。

 

始動噴射を決めながら徐々に水温を上げ、最終的にはLLCのエア抜きまで終わらせて

常水温でのアイドリングキャリブレーション

今回はHPIのストレートサクションを使用しているので、ノーマルエアフロマップではNGで

アイドリング~3000rpm付近までの空ふかしは大幅な数値変更でした。

 

ここまでやっておけば、翌日は低水温補正からスタート出来るので一旦帰宅

 

日が昇るのを待って

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エンジンスタート!

爆音車両&前回E/Gブロー時のオイルがマフラー内に残っている故の白煙で

鼓膜は痛いし、煙が目に染みる~ なんて言ってる暇は無く

低水温補正ををどんどん進めます。

 

水温が常温になったら、

今度はブーストの設定と各ブーストでの負荷の確認

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イニシャルの負荷軸だとオーバースケールしてしまうので、

負荷のMAX値を増やして、そこまでの負荷軸数値を均等分割

って事は、全部やり直しですね!上等だぜ!!やってやりますとも!!!

 

同時にフルブースト時の燃圧を確認し

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燃料ポンプがインジェクターに負けていないかを確認

こちらは計算通り問題無し

緑のグラフが燃圧で黄色がブーストですが、高回転での燃圧ドロップもなくブーストに沿う良い感じです。

 

ある程度のマップが出来たら今度はEXのバルタイの調整

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折角調整式のスライドカムプーリーを入れたので、ベストなポジションを探ります。

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他の部分は一切触らず、EXのバルタイ変更だけでこれだけの差が出ます。

バルタイ調整、大事ですよ!

 

EXバルタイが決まったら、各マップを微調整して

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ダイナパックでのセッティングはひとまず完了!

青いグラフは

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Team TETSUJINさんの4号機のパワーグラフです。

タービンは同じHKSのGTⅡタービンですが、

今回は色々と小技を効かせて最大トルクと最大パワーが少し増えました。

ただ、今回の小技、実走の方が体感出来るのですが、それはオーナーさんのお楽しみと言う事で・・・

 

ダイナから降ろすと

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次は実走セッティングです。

 

ダイナで選択した負荷が実走行とズレていないかを始め

色々な部分の確認事項を行いながら、

主にハーフスロットルまでのレスポンスやA/Fの推移をセッティングして行きます。

この辺りのドライバビリティー向上はダイナパックではどうにもならない領域ですからね。

 

ひたすら走り回って、なんとか納得の行くデーターが完成

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ボケーと走っている時は燃費良く、しかし一度アクセルを全開にすれば即臨戦態勢へ!

常に当店が目指している、乗って速いと感じるクルマ造りです。

 

っと宣伝はこれぐらいにして、

今度は低水温時の不具合確認の為、一度水温を下げ切ります。

その間にセッティング用の各センサーを外したり、

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追加で装着したメーター類をまとめてみたり

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EVC-Sの設定値を一覧表にして行きます。

 

ちなみにイルミが光ると

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こんな感じです。

 

水温が下がりきったら最終的な始動燃料噴射量の確認と低水温での実走行を行い

不具合が無いか?低水温高負荷補正が効いているかをチェックして行きます。

闇夜をつんざくような排気音で低水温走行をクリアして、すべての作業が完成。

 

この時点ですでに

「取りに来て下さい」

と言える時間では無い為

積車に載せて

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YZ東サーキットまでお届け

 

サーキットに向かう途中、ふとバックミラーを見ると

後ろのクルマがメッチャ接近して、バシバシに煽ってきやがる!

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と思ったら、自分が後ろに載せてるクルマでした・・・

少々疲れが溜まってますね(笑)

 

YZ東に到着し

懸念していた低水温時の始動を確認する為、PCを繋いでみると

水温は何と5度・・・

何かあったらすぐにエンジン切れるようにスタンバイしながらの、エンジンスタート!

 

無事始動し、アイドリングも安定

低水温補正も効いて、どんどん水温は上昇

ほっとした瞬間でしたね。

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積車からクルマを降ろし、無事 納期に間に合い?ました。

 

シェイクダウンも

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上々の様で、

僕自身もパイロンコースで滑らせてもらいましたが

A/F的にも計算通りの数字を指していました。

 

ただ、コースに来ていたD1プロドライバーに乗ってもらうと

3000rpmのトルクが少ないね!

もうちょっと下から来ると、逆走の最終が楽になるね!!

との事

 

ドリ車では無いですが、

CT9Aでまだ瑞浪と呼ばれていた このコースを走った時

ノーマルタービンブーストアップで3000rpmフルブーストの仕様の方が

ハイフロータービン3800rpmフルブースト仕様で走った時よりタイムが良かったのを思い出しました。

やっぱり3000rpmから立ち上がるか そうじゃないかでだいぶアドバンテージが違うんでしょうね。

 

社外タービンで3000rpmフルブースト!

挑戦してみます!

日比野さん、待ってて下さい!!

あっ 名前 言っちゃった 

 

 

結局 走行会の最後までお邪魔する形になり

帰りは

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Team TETSUJIN 2号機をお預かり。

これから構想を考えながら、1号機とは違ったアプローチでプランニングします。

 

 

エンジンブローから復活したTeam TETSUJIN 1号機

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なんとか 本日納車に滑り込みセーフ

 

ふう~ 帰って寝るかな。