CT9A ランエボ8 各部不具合箇所修理&リセッティング

以前当店にてリセッティングをお請けした

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こちらのランエボ8

 

今回はラジエターからのクーラント漏れと

低負荷域でのギクシャク感、アイドリングでのエンジンストール解消のご依頼にて入庫です。

 

ラジエターはCT9Aでは定番の、ラジエターアッパーorロアタンクのカシメ部分からの滲みでした。

この症状、ある程度水圧が掛かって初めて発症するので

アイドリングなどでは見つけにくいですね。

特にロアタンクからの滲みだと、クーラントの臭いはするけど

どこから漏れてるかを特定するのに時間が掛かります。

 

漏れているのが分かれば早速交換

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ラジエターが無いとかなりスッキリしますね。

今回は

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アルミタンク溶接式のKOYO製を使う事で

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カシメ部分を払拭

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ラジエター本体からの漏れが起きにくい物を選びました。

 

これで、走行とセッティングが出来るようになったので

低負荷域のギクシャクとエンジンストールの原因を探ってゆきます。

 

A/F計を装着してエンジンをかけると暖気後のアイドリングでA/F18.5

ストールする訳だ・・・

 

実走行でもギクシャクする部分はA/Fが16.5~17.8前後

そりゃギクシャクしますわな・・・

 

でもなんでだろ

ログを確認してみると、吸気温度補正が-7%入ってます。

燃料をダーダーに拭いている部分ならまだしも、

微妙な噴射時間でツジツマを合わせているアイドリング領域や低負荷域で-7%は結構致命的です。

 

ではなぜ?

前回セッティングしたのが

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2012年の11月3日 気温も湿度も今よりかなり低い時でした。

 

吸気温度センサーの位置を見てみると、サージタンクに打ち込んであったので

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取外してメクラし、

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エアクリーナー直後に付け直します。

 

吸気温度センサーの装着位置に関してはチューナーによって意見が違いますが

サージタンクで測定すれば実際にエンジンに導入される空気の温度に近い物が測れますが

過給圧の上昇に伴って急激な温度変化が起き、補正値の設定が難しい位置でもあります。

 

エアクリーナー直後で測れば、吸入時の温度が測れますので温度の変化は緩やかですが

高過給時、エンジンに入って行く空気の温度との差が大きくなる位置でもあります。

 

CT9Aのランエボ8に関しては純正の吸気温度センサーがエアフロと同じ位置に装着されていますので

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純正ECUのROMデーターを吸い出して、吸気温度補正をちょっとカンニング

そのデーターをベースにVproの吸気温度補正マップを造り直しました。

 

さらにアクセル操作に過敏に反応しないように点火時期を少々ダル目に設定し直し

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まずはダイナパックでセッティング

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前回のセッティング時がオレンジのグラフで

今回は緑色のグラフです。赤はローブースト時になります。

点火時期をリタードさせているのでパワーダウンは当然と言えば当然です。

トルクの立ち上がりも若干遅めにして、とにかくアクセルに過敏に反応し過ぎないようにセッティング

 

あとは実走行にて細かい部分を根気よく潰して行くのですが

これが結構大変です。