86 BRZ ミッションセンターベアリング 完成


単体では供給されない86 BRZミッションのセンターベアリング

寸法を測ろうとしたのですが、どの部分で測っても寸法がバラバラでした。

もしかしたら、ミッションに組み込んだ状態でひずんでる?

採寸をあきらめてミッションから取り外しローラーもバラして観察

かなりチャチな造りです。

インナーを見てみると

こういう状況なんですね。

ちなみにこのベアリング、デモカーのターボ化された86に使われていたものではなく
NAのまま使用されていた86から外した物ですが
各部の寸法はバラバラで真円が出ていませんでした。

逆にケースの内寸を測ると真円が出ているので
このベアリングとケースをセットで売らなければいけない
構造上の理由が分かりません・・・。


今回オリジナルのベアリングを造るのに協力してくれたのは
愛知県にある精密加工屋さんで、
フォークリフトに使われているヘリカルギヤの試作や量産
特殊サイズのベアリングの試作 焼き入れシムの寸法調整などを行う
機械加工のプロフェッショナル

今回のベアリングを造るに当たり色々な事を教えてもらい
あれも これも書きたい気持ちはありますが、
加工屋さんのノウハウ的な事もあるので肝心な部分は秘密です。

色々と意見を聞きながら、製作を進めてゆきます。

まずはケースの内寸とシャフトの外寸、ベアリング内のローラーの外径から
ベアリングの量産に必要なジグを造ってゆきます。

寸法誤差は2/1000mm

ベアリングの製品誤差を3/1000mm以内にしたいので、
ジグはそれ以上の精度が必要です。

焼き入れ&表面加工した金属でも道具があれば
すんなり削れるんですね~
そしてそのジグの寸法合わせに使うのは工業用ダイヤモンド

出来たジグを使って完成したのがこのベアリング


シャフトに仮組みすると

こんな感じ

ライナーがあるので

オイルも塗布しない状態での空回しは少し抵抗感がありますが
インナー アウターの寸法はバッチリです。

ミッションケースに圧入するときも、スっニューと言う感じで入りました。
(ベアリングをプレスで圧入したことがある人ならわかりますよね。
 最初から最後まで突っ掛かることなくスムーズに圧入できた時のあの感覚です。)


高さも採寸どうり。

試作1号は500psのデモカーでも耐えてくれていますので
6万円出してケースごと買うベアリングの代替品としては十分かと思います。

ただベースに使っているベアリングは表面処理がされているようで
その部分を削ることで、寸法を合わせているので
本来のこのベアリングが受け持つことのできる荷重よりは
下がってしまっているのも事実だと思います。

まあ、使用は自己責任って事ですね。