いきなり大ニュース!FL5 シビックタイプRのデモカー入庫&早速ECUチューン STEP1完成!!

ちょっとの間、秘密にしてました。

FL5 新型シビック タイプRのデモカー、納車されてます。

 

って言うか早速ダイナパックに載ってます!

 

慣らし運転も終わっているので、FK8 シビックタイプRとのパワー差を診てみました。

カクんとグラフが落ちるのはスピードリミッターに当たる部分です。

オレンジがFL5 グレーがFK8でいずれもダイナパック側では補正を行わないTCF1.0での測定です。

 

1~6速のギヤ比は両車とも同じなのですが、ファイナルはFL5の方がハイファイナルなので

同じ4速で回した際はFK8より低い回転数でスピードリミッターに当たります。

その差異がはっきりとグラフにも出てますね。

 

ファイナルがハイギヤードなのに合わせて中間トルクをすこし嵩上げしてあるのでしょうか?

タービンがFK8のそれとは異なるそうです。

最大パワーはほとんど変わりませんがFL5の方がトルクの立ち上がりと数値ともにFK8を超えています。

 

ECUチューンするにも、このファイナルギヤのハイギヤードと言うのが一つのポイントだと思います。

 

つながり良くと言うかクロスミッション気味にギヤが繋がったFK8に比べ

FL5は実際に運転してみてもシフトアップ後の加速感と言うか

トルクの繋がりが少し脆弱かと感じました。

エンジンのトルクは出ているのですが、それがファイナルで相殺されてしまっている感じです。

 

もちろんREVリミットまで回転をあげてシフトアップすれば

そんなトルク不足は微塵も感じませんが、街乗りの時ってそんなに回しませんよね。

 

良く回したとしてせいぜい3500rpmで、普段なら3000rpmでシフトアップしてゆくと思います。

そう言う時のシフトアップ直後のトルク感の薄さが気になってしまっていました。

 

気になってしまったら、もう止められません。

ダイナパックに載せて、まずは純正ECUデーターの性格やFK8との違いを診てゆきます。

ECUの本体こそ一緒ですが中身は全然違いますし、通信の為の手順もまるで違います。

 

幸い今まで買い集めていた通信ツールを片っ端から試していくと

通信可能な物が存在したので新しく機材を買う必要はありませんでした。

これでまずコストがかなり落とせます。

 

通信が出来るようになると、今度はECUデーターを読み込んで

そのデーターのどこが何を司るマップなのかを調べる、いわゆる解析って言う作業が必要になります。

 

SNS界隈では

「ビークルフィールドはデーターの解析は自分では出来なくて外注任せにしているんだってよ。」

って言う、業界の人が流したであろう噂があるようですね。

 

確かに1から10まですべて自分で解析している訳ではありません。

でもそれって、ほとんどのECU屋さん同じだと思います。

 

FL5でECU-ROMの内容は4Mバイト、GRヤリスだと8Mバイトあります。

BNR32 GT-Rの時はたしか128Kバイトだったような・・・。

128Kのデーターの中からでも

自分の目的通りにセッティングするマップや計算式を探し出すのに苦労します。

 

それが今や4Mとか8Mですよ。

外注任せという訳ではありませんが、参考になるデーターのアドレスを

海外の業者に探してもらう事はありますし

すでに見つかっているデーターを買うことだってあります。

それらがECUチューンを行う上での必要コストだとも思っています。

 

でも解析の本当の大変さって、実際に、ここの数値をこれだけ変更したら

こう言う変化があるんだ、じゃあこのマップの名前、間違ってるな

とか

このマップのこの部分とこの部分が関連しあってるから、同時に変更しないといけないな

って言う

いわゆる実践を、どれだけ手間を惜しまずに数こなせるかって所にあると思うんです。

 

データーの解析が終わった物を定義ファイルって呼ぶ人も居ますが

世の中の定義ファイルなんて間違いだらけです。

マップの場所が分かっっていても、それらをどう弄るかが分からなければ

赤線みたいなギッザギザのパワーグラフになったりもします。

だからこの時に触ったマップは〇〇〇ではなくて〇〇〇なんだって名称変更して

触り方も替えてゆきます。

 

いかに実践でダイナパックを

アホみたいに回して

結果をLOGってはデーターを変更と言う作業を、何度も何度も繰り返せるかが結果につながります。

 

当店のスタッフは、自分がECU開発する際、どれだけしつこくダイナパックを回し

その後にどれだけ実走行でテストするかを目の当たりにしている一番の当事者でしょうね。

ダイナパックを回す際はかなりの騒音なので、開発中はかなりの迷惑を掛けることになります・・・。

このグラフはほんの一例にすぎませんが、今回も色んなデーターをこれでもかってぐらいに試しました。

FK8とは違って、このマップを触ると、空燃比こんなクチャクチャになるんだ!とか

点火マップのここの部分、いじっちゃダメなのね・・・みたいな部分が相当数ありました。

 

その中から自分が理想とするグラフにする為、あーでもない、こーでもないと

関連具合も分からないマップ達を組み合わせ

こんなん出来ました。

ダイナパックでの出力補正は行わない、時価の出力値で

ノーマル時295ps トルク44.1kだった車体がECUチューンのみで336ps トルク55.4kです。

今回は完全ノーマルに徹したのでプラグすら替えてません。

まあ、替えた方が良い事はわかってますが

STEP1として発売する以上、なるべくコストを抑える方向でセットしました。

 

っで最初に書いたファイナルハイギヤードってことに繋がることなんですが

とにかく3000rpm付近のトルクアップに主眼を置いてデーターを作りました。

 

街乗りでシフトアップしたその時に、着地した回転数のトルクをアップさせることで

ハイファイナルギヤであることを忘れるような加速感に浸れるように

トルクは3600rpmで55.4k 3000rpmでも51kは出てます!

 

これを世の中で標準化されているダイナパックの係数TCF1.15ってので測りますと

ノーマル時340ps トルク51.1kだった車が375ps トルク63.1kと言う数字になります。

これでSTEP1です。

いやSTEP1だからこそ、街乗りユーザーが多いだろうって事でトルク63k越えです。

ECUチューン以外、なにも替えなくて良いです。

それでトルク63kです!

 

ここ数日間、実走行で走りに走りまくってます。

今のところトラブルは出てません。

+RモードでVSC全カットで走ると笑っちゃうような加速をして行きます。

 

もう少し実走行でのテストが進んだら、市販化できると思います。

 

ご期待ください。