自分で実際にポルシェのクルマを買って乗って見ると
ポルシェがポルシェと言われる理由を良く理解する事が出来ます。
人生、一度はポルシェに乗って見たい!そう思うクルマ好きは多いと思いますが
必ず付きまとう問題として、維持費の高さがあります。
特に2年に1度 必ずやって来る車検は、避けては通れない難関!?です。
では、何故ポルシェの車検費用は高額になるのか?
安く済ます方法があるのか?
参考にして頂ければと思います。
ポルシェの車検費用はなぜ高額になるのか?
①車検を受ける場所
ポルシェの車検を受ける場所と言って、一番に思いつくのは正規ディーラーです。
新車で購入していれば保証の兼ね合いもあるので、まず正規ディーラーで3年目の車検を受けると思います。
ディーラーを悪く言うつもりはありませんが、車検費用の基本設定金額が高めに設定されているのは否めません。
かく言う当店も基本工賃のレバーレートは1時間10000円と決して安くはありません。
では、なぜ設定金額が高くなるのか?
それは一般の整備工場が持っていない専用ツールを購入しなければいけないからです。
ポルシェ専用の診断ツールは
購入時に数百万円
年間の維持費に数十万円必要です。
911のGT3等で有名なセンターロックナット・・・。
締め込む為だけのトルクレンチはメーカーにも寄りますが、1本30万円程します。
また車検時の点検を行うだけでも数種類の特殊専用工具が必要になり
それらをすべて揃えている正規ディーラーでの工賃は、ある意味高額でもしょうがないと言わざるを得ません。
正規ディーラー以外の専門店での車検も、同じことが言えます。
ポルシェは国産車よりも専門的な知識がないと整備できません。
その知識を得るための整備書も一般ルートからは手に入りません。
特殊な整備知識を取り入れ、特殊なルートからの整備書を手に入れ
さらには特殊専門工具を揃えるには、お金と手間が掛かります。
当然それらは工賃として反映されるので、ポルシェの車検費用の一部となる作業工賃を押し上げてしまう訳です。
ポルシェの車検費用はなぜ高額になるのか?
②車検費用の内訳
車検費用には自動車重量税や自賠責保険と言った法律で定められている費用と
点検項目に応じた点検工賃や消耗品の部品代と言った整備費用の2つが存在します。
比較的車重の軽いポルシェは自動車重量税がトンデモなく高いと言う事はまずありませんし
自賠責保険はポルシェだろうがトヨタだろうが普通自動車であれば変わりはないので
法定費用が原因で車検費用が高額になるとは言えません。
やはり整備費用が高額になる事で、車検費用全般を押し上げてしまうのですが
工賃が高めになる事は前の項目で説明しました。
ここでは部品代の高さを説明します。
ポルシェの場合、当然部品はドイツから送られてきます。
輸送費と本国での保管費、日本に入ってからの管理費は国産車の比ではありません。
デモカーのケイマンのキーレスを追加で頼んだのですが
キーレスだけで5万円しました・・・。国産なら1万円もしないと思います。
タペットカバーパッキンSET左右を見積もった際は両側で4万円程でした。
スバルの水平対向なら、両側でも数千円かと・・・。
この様に、部品代1つ1つが高額なのも車検費用全般を押し上げる要因です。
ポルシェの車検費用はなぜ高額になるのか?
③日本で乗る事を第一に考えて設計されていない
国産車であれば当然この日本で乗る事を第一に考えて設計されます。
勤勉な日本人は輸出先でもトラブルが出ないように、輸出が検討される車種は現地で様々なテストをしますが
ポルシェはどうでしょうか・・・?
高温多湿な夏、湿度が極端に低くなる冬、これを繰り返す日本独特な季節に対応させる為
ポルシェがここ日本で徹底的なテストをして販売しているとは思えません。
それが故にオイルシールは国産車の半分ほどの期間で滲みや漏れを誘発し
ハーネス類はあっと言う間に接触不良を引き起こします。
国産車が10年10万キロの新車保証をするのに対して、ポルシェを含む輸入車全般がそこまでの保証を出来ない理由でもあります。
国産車の半分の経年耐力と考えると3年目の車検でも国産車で言うと6年走ったクルマと同じ様な劣化具合なので
必然的に要交換部位が出てくるわけで、それらが車検時の整備項目を上増しして行きます。
この様な理由でポルシェの車検費用は高額になりがちです。
では
ポルシェの車検費用を安く済ませる方法は?
ズバリ!メンテナンスを後回しにせず、都度都度にきちんと行う事です!
オイル交換やフィルター交換などを
「まあ、車検の時に一緒にやればいっか~」
としてしまうと
ただでさえ高額になりがちな車検総額を更に膨らませてしまいます。
もう一点は
定期的にポルシェに乗って上げる事です。
走行距離が伸びるのを嫌って、ただひたすらにガレージで保管し
たまに乗った時は長距離ドライブ・・・。
こう言う乗り方だと、足回りのブッシュや回転系のベアリングにあまり良くありません。
週末だけでも良いので、エンジンを掛けて乗って上げる事で
回転系のベアリングが馴染み、ブッシュ類には適度な反力が入ります。
各シール類も回って初めて機能する物もあるので
兎に角乗って上げる事で各部の痛みを最小限にする事が出来ます。
そうすれば車検の際の交換必要部位が少なくなり、費用も抑えられるわけです。
まとめ
ポルシェの車検費用が高額になるのはある程度仕方のない事ですが
定期的なメンテナンスを行う事で整備費用を分散させ車検時の総額を抑える事は可能です。
また定期的に実際に乗って上げる事が かえって部品の高寿命化に繋がり
コンディションの維持と言う結果にもなり得ます。
折角手に入れた憧れのポルシェ
ガレージに眠らせておくだけではもったいないので
是非、乗って上げて下さい。