一般的な見積もり依頼や作業依頼はスタッフがすべて捌いてくれたので
ややこしい見積もり依頼やECU関連のちょっと小難しい問い合わせへの返答を随時進めています。
スタッフ一人一人が基本的には見積もりから作業まで基本的な事はすべて行えるので
今回の様に長期で出張に出かける事も出来る様になりました。
沖縄での現地ECU書き換えの準備もすこし話が進みましたので、今後はもう少し煮詰めて行きたいと思います。
さて
このマセラティ レヴァンテ トロフェオは以前のブログに登場した個体ですが
なかなか言う事を聴いてくれない走りをします。
そこでシャーシとエンジンのバランスを考えてみました。
レヴァンテと言うクルマはそもそもがV8 4Lの590psもあるエンジンを積む為のシャーシーではなく
ディーゼルやV6エンジンを積んで売り出されました。
その後しばらくした後V8エンジン搭載車が発表され
その最高峰としてトロフェオが君臨しフェラーリ製エンジンを積んでいます。
・・・シャーシが専用設計じゃない・・・
汎用性の高いシャーシに、クラス違いのエンジンをブチ込んだ!?
真逆な位置に居るのが
アストンマーティンのDBXで、このクルマの為に新設計されたシャーシが
使われていて、発売当初は550psそしてDBX707として
707psのエンジンを積んだモデルが後発されました。
好縁に恵まれてこの高級車を運転する機会が与えられました。
すべてのバランスが整っていて、道路上のさまざまなストラクチャーを通過する際
ステアリングに情報は伝わってきますが、車体にはそのネガが伝わってきません。
ん~、上手に説明できませんが
乗り心地を悪くするようなファクターはすべて取り除かれている物の
その情報だけは伝わって来ると言う
助手席や後部座席に人を載せる事もあるドライバーズSUVとしては最高の動きです。
トロフェオの様に巡航走行中でもステアリングをしっかり握っていないと
道路のカントや轍でアチコチ振られてしまうような動きは皆無で
右手の人差し指と親指で軽くステアリングを支えていればまっすぐと走ります。
それでいて雨の降った名古屋高速でも
ステアリング操作の緩みなくスッとレーンチェンジ出来ます。
濡れたコーナー中の道路の繋ぎ目と言う
707psもあるクルマならちょっとドキドキするシュチュエーションでも
タイヤがズレることもなく、何事も無かったかのように進行方向に進むのはもはや手品!?
幸運にも雨で濡れた路面で試乗する事が出来たので、タイヤのグリップに誤魔化されない
そのクルマの動きそのものが体感出来ました。
ブレーキングでは最大1.4Gの減速力を引き出せる様で0~100㎞/h加速は3.3秒
コーナーリングはもはやスーパースポーツに引けを取らないレベルのSUV
SUVでもこんな設計のクルマが有るんですね。
良い勉強が出来ました。
エンジンや駆動が優れていてもシャーシとのバランスが取れていないと
動きそのものにネガな部分が多々出てしまうんですね。
今後の車両づくりの参考にしたいと思った案件でした。
ZC33S スイフトスポーツなどは
ノーマルではシャーシに対してパワーのが負けている感じが強く
ECUチューン等でパワーアップさせてちょうど良くなるイメージですが
ちょっと前の日本車もパワーにシャーシが負けているクルマが多かったですね。
そう言う意味では日本のスポーツクラスの車も大きな成長を遂げて
シャーシ>エンジンと言う構図を取る様になったのかもしれません。
なにごともバランスってのが大事なんですね。