こちらのブログで少しだけ紹介したER34のトラコン制御
トランクションをコントロールする為には
まず前後のタイヤのスリップ率を見なければいけません。
非駆動輪よりも駆動輪の方が回転が多ければ、スリップしている事になります。
そこで前輪の回転はABSセンサーから読むのですが
ドライブシャフトの外周に設けられた突起は
1回転でとてつもないパルスを発生するので
ある程度の車速になると飛んでも無い数のパルスになり
LINKで制御できるパルス数を超えてしまうパルスオーバーが発生します。
そこでそのパルスをある程度間引きしてくれるのが
このオペアンプです。
試作品は分周率を変えれるようにしてあったので、どれぐらいの減衰が良いかを見極めて
製品版が完成!
これをそれぞれのABSパルスに接続して、パルスを減衰させます。
これでパルスオーバーは起きないぞ!っと期待を込めてテスト・・・
ん?前輪片側しか入力されない。
結論から言うと、片側のABSセンサーの起電力が弱くなっていて
電圧の立ち上がりが1Vぐらいまで落ちていました。
パルスが入って来る方は3Vぐらい出ています。
センサー死亡か~と、日産部品に注文すると
「ABSセンサー、廃版です。」
あっそ~、流石日産部品。
値段を上げるだけ上げて置いて、無くなったら廃版。
無いものはしょうがないので
センサーの台座の部分を削って、突き出し量が多くなるように加工して
やっと前輪左右とも車輪速がアクティブに!!
これでようやくトランクションコントロールのスタートラインに立ちました。
トラコンの設定自体は以前にも行ったことがあるので
そこまで苦労する事無く、実走行でパパっと組み上げて
今度はトラコンOFFの為のスイッチ加工です。
今回はあくまで純正スイッチと純正インジケーターに拘って見ました。
まずは純正のTRC-OFFスイッチをLINKに接続して
トランクションコントロールの有効、無効が切り換えられるようにします。
その後、トランクションコントロールを無効にした時に
純正メーター内のTRC-OFFインジケーターが点灯する様
配線加工とスイッチ設定をして、完成。
一見、極普通の動作に見えますが
このスイッチ操作で有効、無効を切り替えているのは
LINKによるトランクションコントロールと言う、実にマニアックな拘りです。笑
ただ、トランクションコントロールとは言っても
純正のサブスロットルをパコパコ開けたり閉めたりするような
低速時の滑り出し抑制ではなく
中速から高速コーナーをアクセル開けながら走る際
スリップが生じた時に微妙にパワーを抑制して
弱スライドさせながらも、なるべくアクセルを戻さずに走り抜ける。
と言う意味でのトランクションコントロールです。
純正TRCに替わる物ではないので、その性格は異なります。
さて、かなりの時間を要しましたが
これにて
ER34 スカイラインのLINKによるトランクションコントロール
完成です。