昨日のブログで各マップのマッピングを行う前の下準備を書きましたが
今回は実際に各マップを弄った上での結果報告です。
フルチューンエンジンを搭載したこのBNR32 GT-Rですが
もともとはこんな仕様でした。
2.7LのエンジンにトラストのT88-34GKが装着されてブースト1.4k強で600ps
それが
今回は新品N1ブロックを使用した流れから、排気量はノーマルと同じ2.6Lにスケールダウンし
タービンはGTX3584RS その代わりHKSのVcamStepPROを組んでいます。
補機類としてはプラズママンのサージタンクやシングルタイプのスロットル等
大幅な仕様変更を経ています。
まずはVcamの効果を見る為にVVTIの目標テーブルを造り
T88タービンの時と比べて見ます。
トルクの立ち上がりは圧倒的に今回の仕様の方が良いです。
っが、トルクの凹みが気になります。
凹みが少なくなるようにAFをそろえ、点火を整えていくと
まあ、何となくソレっぽいグラフにはなりました。
トルクの立ち上がりが早い3本が今回の仕様でのブーストLO、MID、HI
トルクの立ち上がりが遅い3本がT88仕様の時です。
最大ブーストは変更していないのでブースト1.44kでの結果です。
しかしブーストの推移グラフがどうにも気に入りません。
大型のウェストゲートを使っている割には微妙な弧を描きます。
その為なのか
トルクカーブも、凹みまでは行きませんが・・・
嫌、凹みだなこれは。
そこで伝家の宝刀
ブーストPID制御を導入!
比例ゲイン
積分ゲイン
微分ゲイン
みんな大好き微分積分の計算で~す!!
PID導入前後のブースト推移
PCの画像をまんま撮影しているのですこしグラフが見難いのですが
水色がPID制御をONにした後で、定規で線を引いたみたいにブーストがピシっと決まります。
すると
トルクの凹みは無くなり、ピークパワーも633ps トルク65.9kへアップデートしました。
T88タービンの時と比べると
全然違いますね!
実線が今回の仕様でのブーストLO、MID、HI
点線が前回のT88タービンの時のLO、MID、HIでのグラフです。
全域で良い結果を残すことが出来ました。
ちなみにブーストの切り替えはLinkにデジタル入力を行い
ブーストテーブルを3つ作成し、個別に制御しています。
ブーストを1.8KぐらいまであげてTCF1.0にて700psオーバーを狙うことも十分可能なタービンですが
新品N1ブロック等は貴重品なので、まずはこの状態を楽しんで頂き
Vcamの性能を体感した後に更なるブーストアップをする事に。なると良いな~
これでダイナパックによるセッティングは完了したので
実走行でのセッティングに移行します。
実走では無駄な燃料を捨てないように
スロットル補正とAFフィードバックを有効に使うことで
低負荷時は燃費重視のエコカー、高負荷時はとんでもない加速の出来るクルマを目指します。