先日、ダイナパックによる最終セッティングが始まった件をお知らせした
R35 GT-RはECUとブーストコントローラーのセッティングを
久しぶりにPC二刀流で行いました。
まずブーストコントローラーOFFから始め、基本ブーストの設定をします。
一度ダイナを回したらブースト特性の確認をして
どこでどう言う補正を入れないといけないのかをあらかじめ考えておきます。
今回はブーコンOFFでブーストは大体0.9k この時点でエアフロは4.3V
Φ80㎜のサクションを使っているので想定の範囲内ですが
900psをオーバーさせようとすると、エアフロも張り付いてしまいそうです・・・。
ブーコンをONにして、まずはLOブーストで
1.3kを狙いました。
水色がブーコンOFFで、高回転でブーストがタレて行きます。
このタレをなるべく出さないようにEVC6の補正マップを構築していくわけです。
MIDブーストは1.6k HIブーストはMAXで1.8kです。
ちなみに破線のグラフは以前に装着していたハイフロータービンでのブースト推移です・・・
(多くは語りません。ハイフロータービンがどういう物なのか、理解して頂けるかと。笑)
GT900タービンであればブースト2.0k掛けても大丈夫ですが
今回はクラッチが限界でした・・・。
トルクが125kを超えたあたりから、純正クラッチプレートを追加した
純正強化ではズルズルと滑り始めたので
クラッチ容量を診断機にて最大まで上げて、なんとかセッティング中は乗り切れました。
っが、これ以上トルクが上がるとクラッチ的にちょっと無理です。
先にパワーの数値がバレてしまいましたが
HIブースト 緑 927ps トルク126k
MIDブースト オレンジ 850ps トルク115k
LOブースト ピンク 760ps トルク102k
ブーコンOFF 水色 600ps トルク81kと言った結果でした。
HIブーストにすると、5800rpm辺りからエアフロが4.9Vをオーバーする様になったので
圧力制御を組み合わせたハイブリッド制御を使っています。
低回転から中負荷までは実際の空気量ベースにしたエアフロ制御
高回転、高負荷時は圧力から計算した負荷をベースにした圧力制御
良いとこ取りの制御を使う事で、エアフロ装着位置をΦ90㎜にしなくてもOKです。
ちなみにこの車両、エンジンノーマル時もタービンを交換し
先ほどちょっとだけ説明したハイフロータービンを装着していましたが
破線のグラフがその時のパワーとトルクです。
最大値だけで見れば740ps トルク92k程出ていましたが
トルクの立ち上がりがまるで違います。
有効トルク面積で考えると、今回の仕様の方が圧倒的に速いと思います。
更に今回はマルチマップを構築して
フルパワーとマージンを2種類の方法で確保したデーターに加え
高速道路をダラダラ走る時の燃費重視のデーターで、合計4つをインストールしています。
緑のフルパワーデーターに対して
オレンジのグラフは点火時期にすこし余裕を持たせたデーター
ピンクのグラフはオレンジに加えて燃料も濃いめにしたデーターです。
これらのデーターは走行中だったとしても任意に変更することが可能で
通常はオレンジかピンクで走っていても十分速いと思いますが
ココ一発、負けられない勝負の時にだけフルパワーを使うことで
エンジンのライフを長くさせることが出来ると思います。
ブーストコントローラーのOFF、LO、MID、HIと組み合わせれば
12種類のパワーを選択することが出来
長距離移動の際はECOな走行も可能です。
久しぶりの大トルク発生で
ダイナパックがオーバートルクする場面もありましたが
とりあえずタービンの風量をある程度使い切ったセッティングは出来たと思います。
クラッチを更に強化し、マフラーをもう少し抜けの良いものに替えれば
950ps以上行けるかも・・・
とは思いますが、それはそれでまたの機会に!
ダイナパックから車両を降ろし、実走セッティングに移行します。