エキシージ380CUPのセッティングを行っていたので
ちょっとだけ取り掛かりが遅れましたが
FK8 シビックタイプRのSTEP2データー作製に取り掛かりました。
まずはノーマルのパワーチェックからスタートです。
STEP1データーを作製した時もノーマル状態のパワーチェックを行いましたが
個体差が激しいのかを見極める為にも
前回とは異なる、この車両でのパワーを測って行きます。
まずは出力に一切の係数を掛けないTCF1.0にてパワーチェックを行うと
こんな感じのグラフになりました。
点線がSTEP1作成時の車両、実線が今回の車両のノーマル時のパワーです。
それぞれ4速測定でほぼ同じグラフ軌跡をたどり290ps前後です。
今回の車両の方がほんのちょっとだけトルクの立ち上がりが遅い様ですが
車両の個体差はほとんど無い様ですね。素晴らしい!
見やすく1本だけのグラフにすると
こんな感じになりますので、やはりカタログ馬力の320psに合わせる為には
10%ほどの係数が必要と思われ、TCF1.1にして再計測すると323ps トルク46.8kでした。
このオレンジのデーターを基準にして行きます。
最後、ネズミのしっぽみたいなのはスピードリミッターが効いているからです。
さて、STEP2を造るに辺り、普通はSTEP1を叩き台にするのですが
このデーターは、それなりに頑張って造ったうえでの結果なので
データーとしての伸びしろはほとんど残っていません・・・。
ん~、なんと言えば良いのか・・・。
クルマとしての伸びしろはまだまだあるのですが
STEP1の延長上にその伸びしろがある訳ではない。と言う
FK8のセッティングを行ったことのある人だけに分かる壁の存在があるんです。
試しにSTEP1データーの延長上にデーター変更を進めて行くと
途中まではパワーが上がるのですが高回転でドン!みたいな・・・。
なのでSTEP2を作製するにあたっては根本的なアプローチを変える必要があります。
その為の副産物がSTEP2+Rの存在なのですが、それはもう少し後で話します。
っで、今回はFK8に求められるECUチューンって何だろうと再考してみました。
デモカーで所有しているZC33Sスイフトスポーツに比べると
どうしても低速トルクの出方が高回転寄りで、下からドンっと来ると言うよりは
回せば回すだけパワーが出ると言う、ある意味ホンダエンジンらしい特性です。
でも、街乗りやストリートで一番よく使うのって4000rpmぐらいまでですよね。
下手したら3000rpmも回さない事のが多いのかも。
じゃあ、その辺りのトルクを思いっきり太くして
最大パワー狙いではなく、最大トルク狙いのセッティングをしてみたら
それはそれで需要があるのでは?と言う結論です。
そして紆余曲折何とか形になったのが
ノーマル時323ps トルク46.8kに対して383ps トルク54.7k
しかも最大トルク発生は3600rpm付近で3000rpmも回せばトルクは52kに乗ります!!
色々なショップやメーカーさんのFK8 ECUチューンのグラフを見て来ましたが
こんな感じのトルクカーブのFK8ってあまり見ないですよね。
だからと言ってパワーが無いわけではなくTCF1.1で380psは超えています。
このTCFが〇〇だから・・・と言う議論も結構いろんな所で湧き上がっていますが
大事なのはビフォーアフターだと思うんです。
ダイナパックもモデルチェンジを繰り返し
初期の物よりも新しいモデルの方が出力値は低く出る事が多いです。
ダイナパックを導入しようか迷っていた時、デモンストレーションを行ってもらった事がありました。
デモカーのR35がまだマフラー交換のみだった時に
デモンストレーションに使われたモデルではTCF1.15測定にて515ps出ましたが
実際にダイナパックを購入し届いたモデルで測ってみると
同じTCF1.15でも480psしか出力されませんでした。
季節が4か月ほど違ったので全くのイコールコンディションではないですが
それでもモデル違いで7%ほどの出力差があると言う事です。
この差を考えずに、あそこのECUは〇〇〇PSだけど
ここのECUは〇〇〇PSだからなーと言った所で
ノーマルからどれくらい上がったのかの比較が出来なければ
基準が無い事になってしまいます。
パワーグラフを表示していないECUは問題外として
(たまに〇〇〇PS仕様!とか書いてあるだけで
パワーチェックの結果が一切載っていないサイトを見かけますが
裏付けがないのになぜ数字が掛けるのか非常に不思議です。)
パワーグラフが乗っていても、何と比較してどれだけ出力向上したかが分からないと
そのECUの効果の真価が分からないですよね。
なので、ECUチューンに関しては
ビフォーアフターがなるべくわかりやすくなるような結果を残しながら
データーを造る様にしています。
少々、長くなってしまいましたが
今回のSTEP2データーは
STEP1データーと比較しても、これだけの伸びしろを持っています。
3000rpm~5000rpmまでのトルク上昇ははっきりと体感できます。
ここまでは目で見て分かる違いの話ですが、今度はグラフでは表せない
STEP2+Rと言うデーターの紹介です。
今回このSTEP2データーを造るに当たり
80面ほど存在するトルク関連のマップを事細かく精査していました。
そこで見つけたのが、このSTEP2+Rに関係するマップです。
FK8にはコンフォートモード、スポーツモード、Rモードと言う
3つの走行モードがありますが、この中のRモードを使った時に
より積極的に働き掛けてくれるデーターがあり、そこを綿密にセットアップすると
Rモードで走行した時によりアグレッシブに、そしてより俊敏なアクセル操作が出来るようになります。
これはSTEP1にオプション設定している
Rモードのハイレスポンスオプションとは異なります。
より積極的にRモードの制御を他のパラメーターに干渉させるようにしたものなので
サーキット走行にはお勧めしなかったSTEP1+Rモードハイレスポンスオプションとは違い
サーキットを走る人に是非使って頂きたいデーターになっています。
もちろん街乗りだけのオーナーでもその効果ははっきりと体感できるとは思いますが・・・。
ダイナパックから降ろして実走セッティングを行った際も
通常のSTEP2よりもSTEP2+Rの方が乗っていてはるかに楽しかったのは言うまでもありません。
もちろんSTEP2 STEP2+R共にノーマル車両に対応していますので
マフラーやエアクリーナーを〇〇に変えてくださいと言う条件はありません。
今回のテスト車両もエアクリーナーも
マフラーもノーマルです。
ただし、プラグだけは直噴対応のNGK製レーシングプラグへの
交換が必須になります。
さて、お値段です。
今までラインナップしていた
STEP-0 35000円
STEP-1 95000円(レーシングプラグへの交換必要)
Rモードハイレスポンスオプション 5000円
電動ファン温度設定 5000円
に加え
STEP-2 128000円(レーシングプラグへの交換必要)
(電動ファン温度設定含)
STEP-2+R 148000円(レーシングプラグへの交換必要)
(電動ファン温度設定含)
+Rの方が20000円高いのですが、その価値は十分にあると思います。
STEP2をベースに、実走行をメインに様々な走り込みをして造った+Rデーターは
自信作です!!
尚、すでにSTEP1などの当社製のデーターがインストールしてある場合は
差額調整等、個別に対応致しますのでご相談ください。
(キャンペーン等でインストールした方と
通常価格でインストールされた方で差額が異なります。)
各データーは通販にも対応しますので
通販を希望される方はECUを取り外して当店まで送ってください。
実車に乗って来て頂き、当店にてデーターをインストールする場合は
ECUハーネスアプローチ代として10000円必要です。
ECUの蓋を開けてアプローチする必要が無いだけでなく
来店して頂ければECUを取り外す必要もありません!
通信パスワードを無効化する為、初期データーをBOOTから強制上書きし
個別の車台データーが無くなってしまう
アメリカ製の書き換えツールは使いませんのでご安心ください。
お問い合わせやご注文は、問い合わせフォームや
スマホのLINEを送るボタンから担当の浅田までご連絡下さい。
(本文に登場する価格はすべて税別です。)
あれっ?APEX製の排気交換は~??
と思った皆さん、すいません。
まだ品物が届いていないんです。
なのでまずはSTEP2&STEP2+Rデーターが出来た段階で
車両を一度オーナーに戻して、アペックスの排気が届いたら続きを行ってゆきます。
しばしお待ちを~