ランドクルーザー80 当店初のクロカン車両

クロカン車両と言っても、依頼された作業は載せ替えたエンジン不調の修理です。

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車高が高いのでエンジンルーム内の作業はすべて脚立を使わないといけないので

結構大変です。

 

症状としてはアクセルペダルをほんの少し踏むと

こんな感じで回転が途中までしか上がらずハンチングを繰り返してしまします。

 

元々はエンジン回転が400rpm付近までドロップする様になり

ISCVを洗浄した所、今度はエンジンが掛からなくなり

やむなく、ECUを中古で交換

エンジンは掛かるようになったもののアイドリング状態でのハンチングがひどく

スロットルポジションセンサーを調整してもらったら、今度は動画みたいな症状になってしまった

と言う流れです。

 

純正ではディーゼルエンジンが載っているグレードですが

セルシオやマジェスタに載せられていた1UZと呼ばれるV8エンジンに載せ換えられている車両で

トラブルシュートも何となく難航しそうな雰囲気です。

 

スロットルポジションセンサーを見てみると何やらシムの様なものがかませてあり

調整範囲を飛び越えてオフセットさせている様です。

 

ダイアグコネクターにカプラーを挿して見ると診断モードには入れたので

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データーをモニタリングすると、アイドル回転数が1000rpmで

まずメーター上の回転数とかなりの誤差が出ています。

メーターで1000rpmの時に診断機側では1350rpmで35%ほどのズレが有る様です。

ISCV(アイドルコントロール)も0Stepとなっていて、アイドルコントロールが出来ていません。

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点火時期も50度となっているのでアイドル制御中の数字ではないですね。

フィードバックはクローズドに移行していますが

O2センサーを見ると0.00vに貼り付いています。

それなのにリッチとリーンの判定が交互に入れ替わるのでフィードバック制御は狂ってますね。

そうかと思えばアイドル状態はONになっているので

総括すると

O2センサーが死亡して、エンジンストールしやすくなったのを

ISCV不良と考えて掃除した物の結局結果が変わらず

スロットルポジションセンサーでアイドル回転を無理やり上げて

シムでアイドル接点をONにしているのかな?そんなイメージです。

ECUが壊れてしまった原因は推測が難しいですね。

 

シムを取り外してアイドルポジションを再調整し

スロットルポジションセンサーも整備書通りに再調整

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するとアイドル回転は700rpm弱に落ちて

アイドルコントロール用のステッピングバルブも52Stepに上がり

アイドルコントロールが再開されました。

O2センサーは相変わらず0.00Vに貼り付いているので死亡確定ですね。

 

この時点でアクセルを軽く踏み込んでも

ハンチングする事は無くなりました。

っが、同時にトラブルコードの31番が出力され調べるとエアフロ異常です。

 

さらに1400rpm付近までジワっと回転をあげてアクセルを離すと

エンジンがストールする症状も出て来ました。

 

恐らくこの症状が一番最初に発症したものだと思われます。

ダッシュポットを確認して見ると、調整ダイヤルの頭がすり減って

ストッパーに当たっていない状態だったので、まずはストッパを少し押すところまでねじ込んで見ると

ストールは何とか防げるようになりましたが、診断機での回転で400rpm付近まで落ちてしまいます。

 

この症状はO2センサーが死亡していることが原因でクローズドループがうまく行かず

空燃比がかなり濃くなっているか、逆に極薄になっているかのどちらかでは無いかと予想しています。

 

エアフロも

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実際に車両から取り外して単体確認しましたが

目視上なにか割れてる部分やおかしな形になっている所はなく

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アイドリングでの出力値やレーシングでの値は特に問題なさそうな気がします。

そうなって来るとECU側にも何らかのトラブルがある可能性が出て来ますね。

 

今回もどこか1か所が壊れているのではなく、トラブルが複合的に絡み合って症状を多重化させている様です。