再度ダイナパックに載せられた
SW20 MR-2
コイル交換前に出ていた
失火症状は嘘のように消えていました。
Vproからのアイドル点火時期10度に対して、タイミングライトを使った実測の点火時期を合わせても
失火症状は全く出ません。
MDI等の点火強化パーツを付けていても、コイルを交換した覚えのない方
要点検個所です!!
さて、これでようやく当初予定していたセッティングに進めます。
っと言っても、今回は燃圧の測定と微調整
ブーストコントローラー(EVC5)の3Dマップ作製
IN EXのバルタイ調整がVpro3.4のセッティングに加わって来るので
結構気合を入れて取り掛からないと行けません。
調整個所の順番もよく考える必要がありますしね。
まずは、ブーコンをオフにしてアクチュエーターのイニシャルブーストを把握します。
今回はイニシャルが1.1k前後です。
これを基準に
EVC5の基本データーを作り直して
ブーストの設定が思い通りに動くかを確認します。
このSW20はEFR製のアクチュエーターが使用されているのですが、
基本オフセット100%では全く希望ブーストまで上がらなかったので
135%まで上昇させて、ようやく希望のブースト圧まで上昇できることを確認
この辺りはMOTECでブーストコントロールした時のPID制御が頭に叩き込んであるので
HKSさんが、どの数値を何と考えて制御しようとしているのか、なんとなく分かるのが強みです。
ブーストが思い通りに上げ下げ出来るようになったら、今度はバルタイを調整して行きます。
とは言っても今どきのVVTIが付いている訳ではないので
非常に手の入り辛い個所に設置された
スライドカムプーリーを微調整してはパワーチェックを繰り返します。
ズバっと動かすのではなく、ほんの少しづつ、微妙に進角遅角を繰り返すのですが
バルタイの調整だけでこれだけの差が出ます。
ブーストの立ち上がり方も
結構変化します。
RB26やRB25の純正カムだとIN進角 EX遅角ってのが定番ですが
ハイカムの入った3S-GTEにはそんな定番は通用せず、
頭のなかで考えたオーバーラップとINの開き始めるタイミング
それにEXは我慢してから一気に開くのか、ポンピングロスを嫌ってスパっと開けるのかを
実際に実行して答え合わせをして行く必要がありました。
言葉にすると一瞬ですが、実際は非常に堪忍袋の耐久性を試される作業でして・・・
手の入りにくい所に工具を知恵の輪みたいに入れては、細かいボルトを4本緩め
鏡を見ながらバルタイの数字を確認し調整。
調整したら、今度は細かいボルトを4本を締めあげての繰り返しです。
しかもIN側のケツには
デスビさんがいらっしゃるものだから、INを調整するたびに
デスビもズラして、イニシャル点火を合わせ直す必要があります。
でも
これだけの差が出ると、苦労の甲斐があったと言う物
バルタイ調整前は330psに届かなかったクルマがバルタイのセッティングのみで370ps以上に!
これで基本的なバルタイは決まったので、もう一度ブースト調整に戻ります。
タービンの効率の良い所を探るために、最大ブーストを変更し
どこまでブーストを上げると効率が落ちてしまうかを見てゆきます。
ブーストは上がってもパワーの上昇率がガクっと落ちるところがあるので
それが見極めれたら、やみくもにブーストを上昇させるのはやめて
効率の良いブーストを最大ブーストとします。
今回のタービンはブースト1.45k前後が一番効率が良さそうでした。
ブーストを1.5kまで上昇させてもパワー的にはほとんど変わらないのに
1.35kまでブーストを落とすとガクンとパワーが落ちたので
HIブースト1.45k LOブースト1.25k OFFで1.1kと言う3つのパワーモードにて最終セッティングへ
各計器を見ながら
燃料や点火を
合わせ込んでゆきます。
なんとか400ps超えを達成しトルクは54.2k
4700~6200rpmまでを山なりで繋げたかったのですが、ノックが発生してしまい
点火をリタードせざるを得ませんでした。
もう少し気温と湿度が低ければモリっとしたパワーカーブになったと思います。
あっそうそう、燃圧もしっかり調整しましたよ
高回転でブースト+3k以上の燃圧が確保できるように、逆算してイニシャル燃圧を設定し
ブースト1.45k時に燃圧4.7k
その後もブーストと燃圧が寄り添うように推移して行くので問題なしです。
さあ、今度は実走でのセッティング
Vproはここからが長いんだよな~