昔は結構問い合わせの多かったアルテッツァ SXE10のNAでのセッティング。
VVTI デュアルで付いているからコンガラガルんですよね~。
今回はハイカムなどは入れずにパワーFCでセッティングした時の事例です。
エキマニとマフラーは社外品のようですが、詳細は不明、触媒はノーマルです。
エンジンは全くのドノーマルで、ハイカムや圧縮アップ、排気量アップはしてありません。
CPUはもともとAPEXのパワーFCが装着されていて
アペックスのイニシャルデーターと比べると若干数字が違ったので
どっかのお店で、一応セッティングしてあるみたいです。
まずはそのままパワー&A/Fチェック
ん~どうなんでしょうか・・・。
A/F計使ってセッティングした感じではなさそうですね。
お次はアペックスのイニシャルデーターに入れ替えての
A/F&パワーチェック
3500rpmでA/F14.7って、理論空燃費じゃないんですから・・・。
薄すぎてトルク感が少ないです。
高回転域もA/F13.3は少し薄すぎるように思えます。
薄い割りにはパワーも出ていないです。
さらに問題は続き
ノーマルマップでの読み込み位置が
こんなん出ました。
マップの下半分(ちょっと大げさですが)は使ってません。
もともとVpro等に比べればマップのキメが荒いパワーFC
負荷域を十分に使っていないので、さらに荒い制御になってしまっています。
これはいただけませんね・・・。
まずは負荷域の数値を変更します。
マップ全体を使うようになりました。
再下段まで使うようにマップを仕切る人、若干余らせる人等
チューナーによって色々だと思いますが
僕は若干余らせることが多いです。
今回のセッティングが最終セッティングでこれ以上のチューニングはしない!
と言う車であれば、マップ全域を使ったほうが良いと思いますが
ちょっとした仕様変更などを行なう可能性がある車はその分を余らせておきます。
ちょっと余談でした
上のマップはただ単に負荷軸を変更しただけなので
燃料噴射率などは全くあっていません。
それを机上で計算し、現車合わせ前のベースデーターを作成します。
これが結構時間掛かるんです。
Vproみたいなマップ編集モードが無いので、
1マスづつ手入力する場面も多々あります。
完成したベースマップはこんな感じです。
SXE10は燃料噴射マップと燃料補正マップの両方があります。
このマップと同じ数字を入れても、補正マップの数字がまるで違うと思うので
コピーしてもパワーは出ませんよ。(笑)
そこそこのA/Fが結果として出てきたので、
今度はバルタイのセッティングです。
今回はカムもノーマルで圧縮比もノーマル、
排気量もノーマルとノーマル尽くしなので、進角は高回転まで続けます。
昔はINとEXのバルタイを別々にセッティングしていましたが結果的にNGです。
頭の中で、オーバーラップの数字を固定しながら、
INの開き始めや閉じ終わりを考え実質の圧縮始まりが何度からになるのかをイメージ
さらに、EXの開き始めをイメージして、ポンピングロスを減らすのはどのタイミングからなのかもイメージ
大事なのはそう!イメージ!!
バルタイが大体決まってきたら一度A/Fを微調整して点火も微調整。
まずまずの数字です。
高回転は排気がスムーズに抜けるのをイメージして数字を決定します。
最終的なA/F&パワーはこんな感じです。
一番パワーが乗りそうなところは12.9とちょっと無理しています。
っが、ここをもう少し濃くしてしまうと7300rpm以上のパワー感がダウンしてしまいます。
パワーを取るか、耐久性を取るかの瀬戸際ですね。
っと言ってもパワーFCのイニシャルデーターに比べれば全然安全です。
ちなみに以前セッティングのみ行なった
エスプリ製の2.2Lエンジン+トラストのイーマネージとの比較はこんな感じです。
排気量アップがNAエンジンには効果絶大なのは明らかですが
キットやパーツ&工賃にセッティングまで入れると100万円以上するメニューで違いは24PS・・・。
パワーFCでバルタイのセッティングまで行なえば
もう少しパワーアップすると思いますが
この24PSをどう感じるかはオーナー次第ですね。