アルテッツァ ターボ仕様@パワーFC制御

アルテッツァみたいに燃圧が固定されていると
負圧域でも3k ブーストが1k掛かっていても3k


サージタンクの圧力が高まると、
インジェクターが燃料を吹くために開弁しても
燃圧とサージタンクの圧力差がすくないので、十分な燃料が吹けない


するとA/Fは薄くなってしまうと言う結果になります。
TD04ボルトオンターボでブースト0.4ぐらいなら何とかなるかもしれませんが
GT-RSタービンでブースト1.0k以上ともなれば、まず無理です。


パワーが安定せず、A/Fが極端に薄くなってしまう根本的な原因はこの燃料系です。


そこでSARDのフューエルリターンキット
201562181010.jpg
で燃料をリターンできるようにします。

そのためにはリターン用のホースを新設しなければいけませんが
安定した燃圧確保には欠かせないと思います。

そして、リターン用の取り出し口を設置する為に
SARDのデリバリーホース
201562181025.jpg

最後に肝心要の調整式の燃圧レギュレーター!
201562181038.jpg
これを装着する為に燃料系を一新したようなものですからね。


念のためポンプもSARD製の265L/Hに交換します。

画像のようにレギュレーターにはサージタンクのホースを挿さずに
イニシャル燃圧を設定します。
燃圧計を見ながら調整ねじをグリグリ回せばOKなのですが・・・
燃圧計が振り切っています・・・・。


原因はこれ
201562181056.jpg

純正のジェットポンプと言う部品です。
コイツが原因で燃料のリターンを遮ってしまい、燃圧が上昇していました。
じゃあどうすればいいか・・・?
説明はこちら↓SARDのHPに詳しく説明されています。
201562181129.jpg



でも~簡単そうなので作っちゃいました。
201562181147.jpg

結果は・・・大失敗


SARDに走って、製品を購入
20156218120.jpg

201562181212.jpg

交換すると嘘みたいに燃圧は下がり(当たり前か~)
燃圧の設定が出来るようになりました。

今回はインジェクターのサイズがちょっと小さめなので
イニシャル燃圧は3.15kぐらいに高めました。
あまり高くしてしまうと、燃料ポンプの寿命が短くなるなどのデメリットもでますので
上げれば上げるほど良いというものでもありません。

マネージメント制御はパワーFCを使用しますので、
インジェクターの大容量化にあわせた補正係数と無効噴射時間の増減を設定します。
この辺はパワーFCの説明書に詳しく書いてあるので省略します。

っで、もうひとつの難関がワンオフのエアフロアダプターに装着されたエアフロです。
Z32エアフロ流用とは違って、基本データーがありませんので自分で計算します。

純正エアフロが装着されるパイプは直径(内径)が65.5mm
今回の大容量エアフロのパイプ直径(内径)は73.4mm
流量は基本的に流れるパイプ内径の面積に比例しますので面積比を計算します。

直径65.5mmの面積は13471.365m㎥
直径73.4mmの面積は16916.938m㎥
比率は1.255です。


この係数をエアフロ電圧ごとに指定された空気量に掛けてゆきます。
ノーマルエアフロデーターがこれ
201562181227.jpg
それぞれの数字に単純に1.255を掛けてゆきます。
ただ、今回はターボ化されているので、負圧域は流速が遅く
正圧域は一気に流速が増えると思われるので
ここでの数字はあくまで机上の計算値です。

これでエンジンを掛ける準備が出来ました。
キュルキュルキュル ブオーン

特に感動も無く、次の作業はエアフロ電圧値の変更です。
A/Fを見ながら、燃料補正マップで値が100のところにあわせます。
201562181242.jpg
補正が入っていないということは理論空燃比14.7になるよう演算されているはずなので
逆にエアフロデータを書き換えてA/Fが14.7付近になるようにすれば言い訳です。
いわゆる結果論ですね。

結構手間の掛かる作業ですが、今回は完成したエアフロデーターも見せちゃいます。
201562181257.jpg
このデーターをベースに各補正マップをセッティングベスト状態を探し出します。

一旦ここでA/Fに注意しながらシャシダイを回しブーストと燃圧、A/Fの確認をします。
201562181310.jpg
4000rpmでかなり薄くなるものの、6500rpm付近はは10.2まで濃くなり
最後は10.8前後・・・
でも4000rpmのA/F13.6は薄すぎますので、セッティングが必要です。


ただ、このA/F 燃料が原因ではないんですよ。
そう、アルテッツァの宝物VVTIのセッティングが原因なんです。
4000rpmのIN側VVTIを25度遅角させ、他の気になるところも
進角と遅角を効率的に行なえるように少変更すると
201562181326.jpg
VVTIは有効に使えばかなりの宝物になります。


基本的なVVTIマップを作製したら
今度は燃料補正マップでA/Fを微調整し
再度VVTIマップの少変更・・・を繰り返します。
最後に点火時期をセッティングしパワーとマージンの中間点を見極めて
セッティング終了です。


エアフロ電圧値は最大で4.98V インジェクター吐出量は最大100%で
結果は
201562181340.jpg
結構、狙い通りのパワーとトルクになったとおもいます。
パワーは417ps トルクは54.2@4400RPMです。

ピークトルクは4400rpm付近ですが3500rpmで35k前後でていますので
街乗りでもグイグイ引っ張ってくれます。