ホンダ インサイトCVTにスーパーチャージャー取付

案外と相性が良いのが、ホンダのCVTインサイトとHKSのスーパーチャージャー

劇的にパワーアップする訳ではありませんが、充電が切れたときのあのふがいない走りが嘘のように元気になります。

スーパーチャージャー装着で入庫したインサイト
201564124139.jpg

エンジンルーム内の余分なものを撤去して
201564124119.jpg
各ブラケットを装着してゆきます。

ここまでは比較的順調でしたが
問題はこれからで・・・

インサイト用のKITではない為
インタークーラーの配管、コアの装着はアッチコッチを加工しながらも、おおよそ形になりました。

20156412423.jpg

201564124220.jpg

セッティングまで含めると、まだ全体の50パーセントほどの進行となりますが
エンジンルームだけ見ると
201564124235.jpg
だいぶ様になってきました。

この後、ーパーチャージャーを回すのに必要な補機類一式の取り付けを完成させ
サブコンを接続し、基本的なデーターをインストール。

そして、エンジンスタート!


吸気音も作動音もかなりその気にさせますね~。

バンパー奥にさりげなくたたずむインタークーラーといい
ボンネットを開けたときに目に飛び込んでくる風景といい
こう言うスタイル、嫌いじゃありません。

そして、現状での試運転。
もちろん高負荷域のセッティングはこれからですので
まずはアクセル開度30パーセント付近までの領域を使用しましたが・・・

かなり良いですね~

アクセルONでクルマがグイっと前に出ます。

入庫時に残っていた燃料がレギュラーなので、これからガソリンを使い切り

ハイオクに入れ替えた上で本セッティングに移ってゆくのですが

この段階でここまで良い加速をしてくれると、期待が高まります。

そして日を改めて本セッティング開始

通常のCVT車両はダイナパックでのセッティングは出来ません。
マニュアルモードで3速などに固定していても
アクセルを開くと2速に勝手にキックダウンする車両もおおく
(IS350なんかは、すぐに勝手にシフトチェンジします。)
このギヤ比変動が起こるとダイナパックでは正確なトルク計測ができずに
パワーチェック不能となります。

先日の試運転時、インサイトのパドルシフトは3速や4速に固定して
かなり低い回転からアクセルを全開にしても
キックダウンはせずにそのままギヤ比を維持してくれる事がわかったので
CVTであっても、ダイナパックで測定できるかも!

と言うことで
201564124250.jpg
当店初!
ホンダ インサイト CVTのパワーチェック!

すると・・・
グラフがギザギザするものの、イメージするには十分なパワーチェックが出来ました。
20156412432.jpg
赤色がスーパーチャージャー取り付け
セッティングは低負荷域のみ実走セッティングで
モーターアシスト有りの状態です。

青色は、スーパーチャージャーを簡易的にキャンセルして
201564124320.jpg
NAに戻した際のパワーチェックです。
モーターアシストは効いていますが、
スーパーチャージャーに吸い取られる軸トルクが15PSほどあるので
参考程度の数字ですね。

そして面白いのが、モーターアシストがある場合とない場合のパワー差。
スーパーチャージャー有りでのモーターアシスト有無の結果
201564124333.jpg
緑線がモーターアシストが無い状態です。

そして、スーパーチャージャー無しでのモーターアシスト有無の結果
201564124345.jpg
コレだけ違いが有ると、乗っていてもすぐに分かります。

そして、スーパーチャージャー有り、モーターアシスト有りで
全開域のセッティングを進めて行きます。
20156412441.jpg
このあたりは得意分野ですので、悩むこともなくサクサク書き換えてゆきます。

完了後
201564124421.jpg
オレンジ色のグラフです。
おおよそ130PS トルク20kで、セッティング前の112ps 17.2kに比べれば
18psのパワーアップ 2.6kのトルクアップです。

スーパーチャージャー無しのモーターアシスト有りから比べれば
57psアップ 7kのトルクアップとなり、
そりゃ~良い走りが出来るわけですよ!

ターボ車のような高回転での圧倒的なパワーではありませんが
街乗り領域のアクセルハーフでの加速は、ノーマルとは別次元です!

ダイナでのセッティングが終ると今度は実走でのセッティング。

最近のクルマは通常走行時のA/Fを学習して走行しています。
燃費の確保と触媒が効率よく働いてくれる燃焼状態を自動的に作りだしています。

この領域をフィードバック領域と呼びますが
領域幅は年々増えていき、一部の車両では全域学習機能までついています。
セッティング時は学習機能をカットしているので、
自動的な燃料補正は入りませんが、街乗り領域のセッティング時は
当店ではこの学習機能を基本的に復帰させます。
(86は常時カットしていましたが)

そして、この学習補正領域のセッティングをするために必要なのが
OSCというオプションパーツで
201564124434.jpg
FconISと連動させ、フィードバック領域の燃料制御を意のままに操ります。

学習キャンセルマップを使い、
全般的な学習値が少なくなるような方向性にセッティングにし

OSC補正マップを使い、フィードバック領域の燃料の増量を行い
OSC無しでは不可能だった、純正目標A/Fよりも濃い状態を作り出します。
これは一般的に街乗り領域でのトルクアップに繋がります。

そして一般的な燃料補正マップを使い
全開域のパワーアップを測ります。

ISと言ってもナメて掛かれないのが最近のクルマの難しいところですが

完成したスーパーチャージャーインサイト@CVTは

当初の予想をはるかに上回るポテンシャルを発揮し、苦労した甲斐がありました。