今回はBCNR33用のCPUの純正書換え方法
取り外して中をあけるとこんな感じです。
真ん中あたりにある四角いの上の方に
エンジン制御用のデーターが入っていますが
マイコンと一体型なんです。
そしてデーターの書き込みは1回しかできない上に値段も高いです。
セッティング中はこれでもかって言うぐらいデーターを書き込んでは
ダイナパックを回して・・・を繰り返すので、
そのたびにこのマイコン一体型チップを使っていたら
とんでもない値段になってしまいます。
それにこのチップ、すでに生産が終了していて、
問屋さんの在庫限りと言う希少です。
うちのお店にも残り数個しかありません。
そのためセッティング中はBNR32CPUを使用します。
ROMは通常のタイプですので、SST方式のROMを使えば
電気的信号で中身を一瞬で消去できるので便利です。
(紫外線でデーターを消すタイプは
イレースに20分ぐらいかかりますので使う気になれません。)
そしてもうひとつセッティングに欠かせないのがマップトレーサーです。
モニターしたいアドレスを入れると、
ROMのどの部分を読んでいるのかを表示してくれるものです。
アドレスが何番か分からない人には何の意味も持たないものですが
僕らにとっては非常に便利なもので手放せません。
お店ではK specification Originalさんの物を使用しています。
今ではNISTUNEを使うことが多いので出番は少なくなってしまいましたが・・・
アドレスの探し方は、16進数で打ち込まれた数値を10進数に変換し
ROM内のデーターと同じ数値になっている場所をひたすら探します。
このアドレスが分かれば、その番地をマップトレイサーに打ち込みます。
するとこんな感じに
縦軸が回転数で横軸は負荷になります。
ブースト0.85k前後で8000RPMまで回すと
右から3番目の番地まで読みに行ってる事が分かります。
これで、どの部分の数値を書き換えれば実際に反映されるのか一目瞭然です。
セッティングを詰める前のA/Fグラフは
こんな感じで、ブーストが立ち上がる付近のA/Fが薄いのが分かります。
3600RPMあたりのA/Fを濃くしたいので、
3600RPM時に負荷としては、どれぐらい掛かっているかを
マップトレイサーで読み取り、その部分の燃料補正マップを書き換えます。
計算通りに1発で決まることもあれば、個体差でずれることもあります。
セッティングが決まったときのA/Fグラフは
フルブーストが掛かるときのA/Fを濃く出来ているのがわかると思います。
こんな感じで、細かい設定を繰り返しベストな状態を探し出します。
データーが決定したら、今度はそのデーターを
BCNR33用チップに書き込む作業が待っています。
書き込む為には、まずチップを取り外します。
ハンダをきれいに取り除き
チップを取り外すと
さらにCPU側には新しいチップをはめ込む為のアダプターをハンダ付け
ん~・・・結構神経使いますし、手先がキヨウじゃないとイライラするかも。
そして新品のチップにBNR32 ROMから吸い出したデーターをベースに
作製したBCNR33用データーを書き込みます。
さらにチップをCPUに戻して、カバーを元に戻すと
ようやくビークルフィールドオリジナルCPUの完成です。