最近ではスバル系のクルマにR35エアフロも定番となりつつありますが
3年ほど前にこんなセッティングをしていました。
GC8 インプレッサにR35エアフロとΦ100のエアフロアダプターです。
GC8用のパワーFCの中には純正エアフロのほかに
Z32エアフロやQ45エアフロのデーターなどが入っています。
ただ、R35用はありませんので新規作成する必要があります。
R35のVQマップを参考に電圧を割り当てて
流入空気を推定で打ち込みます。
パワーFCにデーター送信して、エンジンスタート!
おっ びっくりするぐらい普通にエンジンがかかったぞ!
水温があがるのを待って、アイドル付近の学習をカット
補正係数を1.00にします。
この状態でA/Fが14.7になればエアフロ電圧と流入空気量の計算が合っている証拠になります。
しばし観察・・・
ちょっと薄いな
A/Fからどれくらい濃くするかを計算し
再度データー送信
今度はうまく制御できているみたいです。
エアフロを使った場合は、中負荷域以降よりも
電圧の極端に低い超低負荷域のセッティングの方がむずかしいので
ここまできれいに制御ができれば高回転は簡単に決まると思い、作業は翌日へ
一番大切なポイントはR35エアフロと組み合わせたアダプターの容量と
パワーFC内にあるVQマップをどうリンクさせるかです。
良くパワーFCとZ32エアフロは相性が悪いと言う人がいますが、
相性ではなくて
パワーFC内のZ32エアフロ用VQマップのリニアライズがずれているだけです。
実際のA/Fを見ながら、エアフロ流量を細かく設定してゆけばZ32エアフロでも
普通に走れるぐらいのレベルまでは持っていけます。
R35エアフロは流量と電圧が非常に安定しているので
VQマップの造りこみもとても楽です。
じゃあ、どうやってあわせるか?
スバル系のパワーFCは日産系の純正CPU制御とほとんど同じです。
と言うことは
燃料噴射時間の基本的な制御は
(VQマップの数字×インジェクター補正係数(純正CPUならK定数)÷回転+無効噴射時間)
×燃料補正係数=目標空燃比
となります。
インジェクター補正係数(純正CPUならK定数)も
回転も
無効噴射時間も分かっていると言うことは
補正係数を〇〇にすれば
実際のA/Fが14.7になるようにエアフロ電流値を調整するだけで
VQのリニアライズができるという簡単な仕組みです。
補正係数〇〇は自分で考えてください。
当たり前と言えば当たり前の数字です。
そうやって低負荷4000rpmまでのリニアライズが終わったので
今度は負荷をかけながらのリニアライズです。
ダイナパック頼みになりますが、回転を固定してアクセルを開けていくと
負荷が増えてゆきます。
アクセルの踏み方に気をつけて電圧を固定させ
そのときの流量を調整しながらA/Fを合わせます。
こうやって徐々に回転と負荷をあげてゆくと、
エアフロの電圧と実際の空気流量がバッチリ決まります。
ここまで終われば80パーセントぐらいは終了です。
残りはダイナパックをぶん回しながら細かい燃料補正と点火時期の決定です。
今回は途中でクラッチがすべるトラブルが出ましたが
そのほかは順調に終了しました。
回転数ごとのログを見てください。
まずは1400rpm前後
右の数字を見ると
この回転数の時に他のセンサーや負荷がどうあっているかが分かります。
グラフの線がぎざぎざしている部分がクラッチが微妙に滑っているところです。
x
最終的にはインジェクターは97パーセントほどの噴射率になりましたが
エアフロは40パーセントしか使っていません。
Φ100アダプターなので当たり前と言えば当たり前ですが
それでも超微力電圧のときの安定性も抜群で
320ps前後の車両にΦ100アダプターでR35エアフロをつけても大丈夫です。
将来タービン交換してT518あたりをつけても余裕で対応できるでしょうね。
Φ100アダプターであれば、容量的には600から700ps前後まで対応すると思います。
R35エアフロは電圧の安定力が高いので、アイドリング時の電圧上下が少なく
アイドル接点を使用しないパワーFCにはかなりの武器になると思います。