「エンジンがあったまってしまえば調子良いんだけど
エンジンを掛ける時が大変なんだよね~」
ハイチューンのエンジンにフルコン制御の場合に良く聞きます。
正直、ある程度はしょうがないと思います。
純正の倍近いインジェクターを付けて、ISCVはノーマルのまま・・・
入れたい空気量と噴きたい燃料のバランスがずれても仕方ないかと。
それでも、出来るだけの事は帳尻合わせしたいと言う事で調整するのが
始動時燃料噴射等のセッティングです。
エンジンが掛かった直後の、もしくは掛からなかった時のA/Fが知りたいので
A/F計の電源は別回路で確保して、始動直後のA/Fを見ながら調整します。
始動時噴射量が少ないと
エンジンは掛かりますが、始動直後のA/Fが薄くて、エンジンの音も一瞬頼りなくなりますよね。
これを、調整して行きます。
調整後
おおよそ適正になり、始動直後のA/Fもエンジンの音も安定しました。
今回は始動時噴射量を増やすこと、
スタート時のISCVのステップ量を増やす事の両方が必要でした。
ただ、燃料を濃くし過ぎれば一発でかぶってしまいエンジン不動となります。
通常噴射時の10倍近い噴射量になるのが始動時です。
それだけ、エンジンを掛けるためには濃い燃料が必要なんです。
只でさえ10倍近い噴射量をさらに10パーセントアップ!とかすると、
実際の噴射量は飛んでも無い数字になるのは分かりますよね。
でも逆にビビり過ぎて少しずつの増量しかしないと、
確認の為に何度かエンジンを掛けたり切ったりしている間に
シリンダー内の温度が上がり、本当の意味での始動時ではなくなってしまいます。
一度水温が上がってしまうと、再度調整できるのは明日の朝・・・
始動時噴射設定には度胸と感覚が必要です。
この設定が始動時噴射の基本で、
ほかにも始動後の補正値の入力や補正時間の設定等
結構ややこしい設定がいくつも絡み合うのが始動時設定
しかも設定できるチャンスは多くて一日二回だけ
完璧に合わせきることは中々難しいのですが
出来る限りの事はするように努力しています。