GRX133 マークX GRMNⅡのハイレスポンスクラッチはシングルハブ仕様で造り直してました。

超軽量フライホイルを組み合わせた

GRX133 マークXのクラッチシステムは、クラッチペダルのダンパーレス加工を経て

オーナーの元に戻って行ったのですが、その後連絡があり

「エンジンを掛けるとクラッチペダルの戻りがおかしくて

 半クラッチが極端にシビアになってしまっています。」

との事。

 

エンジンを掛けないと、普通にクラッチペダル踏力も有るそうで

エンジン掛けてクラッチペダルを踏んでも、各ギヤにはシフトは入るとの事。

この事からダイレクトレリーズがおかしくなって

クラッチが切れていないと言う可能性は無さそうです。

 

いずれにしても自走は出来なさそうなので

積車で岡崎から横浜まで引取に!

 

横浜に到着し実際にGRMNⅡ乗って見ると・・・

感覚的には半クラ領域がペダルで0.1㎜ぐらいしかない様な感じでした。

 

発進はまるで無理です。

ウインチを使って積車にマークXを引き上げて固定。

 

店に戻って来たら、すぐさま

サービスホールからレリーズの動きを確認しましたが、特には問題無さそうです。

 

ミッションを降ろして

ダイレクトレリーズの

アダプター台座周りを確認しましたが、偏心してしまう様な傾き等もありません・・・。

 

ダイヤルゲージを当てて

フライホイールごとの振れを診ますが

ここも大きな問題は無さそうです。

 

何故?

カバーを外して

ディスクを取り出して行くと

ん?

センターのハブとディスクのセンターがズレてます。

 

もう一度ミッション側を見ると

なるほど、そう言う事ですね。

 

ツインプレートディスクにそれぞれセンターハブのあるタイプを使ったのですが

フライホイル側でのオフセットが足らず

2枚目のハブにミッションスプラインが全挿入されていなかったんですね。

スプラインに着いた跡を観察して、ようやく原因が分かりました。

 

走行距離が伸びる事により、ディスクが振れてしまい

半クラ領域で、常にディスクのどこかが線で接触するが為に

実際には半クラ領域が無いに等しい状態になってしまっていたと推測出来ます。

 

GRX133 GRMNⅡのミッションスプラインはフライホイル側にパイロットベアリングの無いタイプです。

この事もディスクのセンターとハブのセンターがズレてしまった要因の一つかと。

 

そこでOSさんと相談し

センターハブが1個のタイプに仕様変更してもらい

このセンタースプラインがミッションのスプラインの

なるべく根元付近に行くように調整して貰いました。

 

同時に

ディスクの摩材部分を大幅に削減してもらい

半クラッチ時の食いつきを極力弱めています。

 

こうする事で少しでも半クラッチ状態をペダルで操作しやすくしつつ

センターハブはしっかりとミッションスプラインの奥深くまで挿入されるようになり

数日間に渡る試運転でもクラッチペダルの操作感は変化なしです。

 

目視での挿入量が確認し辛かったとは言え、今回は製作側のミスですので

OSさんにも協力して頂きながら、オーナーへの費用請求はありません。

 

これから念の為、自走で横浜まで走り、最終的な長距離運転で問題が出なければ

そのままオーナーの元に納車したいと思っています。

はい、今、まさにこのGRMNⅡに乗って、横浜に向かっている最中です。

 

途中でクラッチペダルの操作感に違和感が出れば・・・岡崎に逆戻りです。