加工プロペラシャフトでの公認車検

5速ミッションへの載せ替え時、ミッション本体以外に費用が掛かるのがプロペラシャフト

日産車はATとMTでミッションへの差し込みスプラインが異なるのであきらめが付くのですが、
トヨタ車のプロペラシャフトスプラインはATでも5速MTでも同じことが多いです。

JZX110もプロペラシャフトのスプラインはAT、MT共通です。

ただ、AT用のプロペラシャフトのがMT用に比べると短いので
使用するためには延長加工が必要です。

そのままでは使えないので、MT用のプロペラシャフトを購入するのが一般的なのですが
価格はなんと108000円!

中古でうまく見つかればラッキーですが、
JZX110のMT用プロペラシャフトはなかなか見つからず
あったとしても納得のいかない価格ばかり・・・

そこで今回はAT用のプロペラシャフトを自社にて延長加工する事に
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材質は今どきのプロペラシャフトに合わせて
機械構造用冷間引き抜き鋼管(STKM)を使用

芯を出すために特殊な形状に加工した延長部分を作製しドッキング
Vブロックに載せて振れ幅が問題ないことを確認しTIG溶接
最後にもう一度振れを確認し、実装
2015615155113.jpg
実走行でも問題ないことが確認できたので、作業的には完成

次なる難関はこのプロペラシャフトでどう公認をとるか・・・
ワンオフのプロペラシャフトなので
もちろん強度計算書を作成しなければいけません。

昔は一般構造用炭素鋼鋼管(STK)が一般的だったようですが
最近はSTKMが主流の為、強度計算もSTKMにて作成します。

STKよりは若干安全率が低くなりますが、
合格基準を下回ることは無いのでOK

あとはこれらをどうやって書類一式として関連付けて
「このプロペラシャフトを使用しても大丈夫だ!」
と言うことを国土交通省に認めてもらうかがポイント

結果は無事合格
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少々手古摺りましたが、JZX110 5速載せ替えはハード、ソフトの両面で成功

JZX100の5速ミッション載せ替えも原則的に同じ方法で公認取得可能です。
っが、強度検討作製は当店で作成したプロペラシャフトだからできる計算

ヤフオクとかで売られている加工プロペラシャフトとは一切関わり合いはないので
持込みプロペラシャフトで、公認書類作成だけお願いします!
とか
強度検討書だけ造ってください!
と言われてもお請け出来ません。

まあ、JZX100は5速用の中古のペラシャが出回っているので
加工する需要はほとんどないでしょうね。